サンティアゴのタクシー・交通トラブルは、メキシコ・ブラジル・ペルーと同じく「ぼったくり」レベルでは終わりません。違法タクシー乗車→ATM強制引き出し→現金強奪のパターン、自宅の門が開くのを待ち伏せるポルトナソ、走行中の窓割り強盗、タイヤパンク偽装。在チリ大使館「安全の手引き」(2025年4月版)が手口に独自の名前をつけて警告しています。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
空港の違法タクシー --- ATM強制引き出しまで
サンティアゴ国際空港(アルトゥーロ・メリーノ・ベニテス)で最も多いトラブル。外務省「安全対策基礎データ」の記述。
サンティアゴ国際空港では、違法タクシー(白タク)の強引な客引きによる料金詐欺や、乗車させた後に強制的にATMで引き出させた現金を奪う被害が発生しています。
そして大使館「安全の手引き」の補足。
国際線・国内線を問わず、到着ロビーにおいて邦人旅行者に言葉巧みに言い寄り、違法タクシーに乗せ、高額な料金を請求し、料金を名目に所持する現金やATMで引き落とさせた現金を奪う手口も未だ散見されます。
到着直後でぼーっとしているところを狙われます。「タクシー?」と声をかけてくる客引きは100%違法タクシーと思っていい。空港内のタクシーカウンターで正規チケットを買うか、Uber・Cabifyを使うのが安全側です。
外務省被害例にもこう。
カ 空港において、乗り合いタクシー運転手を装った男に声を掛けられ乗車したところ、営業許可を受けていない白タクであり、高額な料金を騙し取られた。
出迎え者を装う詐欺 --- 身分証確認が必須
ホテルや会社の出迎えを期待していると、それを装った違法タクシー業者にだまされるケース。
出迎え者を装って違法タクシーに乗車させ、高額な料金を請求する被害も発生しており、身分証等で出迎え者について確認し、営業許可を受けていない違法タクシーに乗車しないよう注意が必要です。
事前にホテル/会社から「出迎え者の名前と身分証番号」を教えてもらい、合致するか確認するのが基本。少しでも違和感があれば、一度ロビーに戻ってから連絡を取るのが安全です。
喫煙場所でも置き引き
意外な落とし穴。
チリ国内では、公共の建物内等では喫煙は禁止されていますので、長時間のフライト前後に、空港出入口の喫煙場所で喫煙していると、声を掛けられ、気を引いているうちに荷物を置き引きする事案も多く発生しております。
公共建物内禁煙のため、喫煙者は屋外の指定エリアに集まる。そこで「火を貸して」「日本人?」などと話しかけられて気を引かれた瞬間に荷物が消えます。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
正規タクシーでも紙幣すり替え・カード不正
正規タクシーを使っても安心ではありません。
タクシーは、外国人旅行者が目的地まで遠回りされる被害に遭う事例が報告されています。また、料金の支払に当たり、カード払いで一桁多い金額で決済されたり、渡した紙幣を運転手が素早く少額の紙幣にすり替え、強引に不足分を支払わせたり、偽札とすり替えたりする事件が発生しています。
カード決済は桁を必ず確認してから暗証番号を入力、現金払いは金額を声に出して言いながら手渡すのが対策。配車アプリ(Uber/Cabify)はメーター・ルート・金額が事前に確定するので最も安全側。
ポルトナソ --- 自宅の門待ち強盗
ポルトナソ(門が開くのを待っている車に対する強盗)事件が発生しています。外出又は帰宅時には、付近を見回し不審な車や人がいないかよく確認してください。
リモコンで開く駐車場ゲートを待っている数十秒が狙われます。マンションや独立家屋の入口で、銃を持った犯人が車のドアを開けて乗り込み、住民を脅して家の中まで侵入するパターンも。理想は運転手が車から降りずにリモコンで入庫、物理的に無理なら夜間の照明を充実させ、物陰のスペースをなくすのが大使館推奨。
信号待ち・渋滞中の窓割り強盗
渋滞中や信号待ち時には、特に女性ドライバーを狙って窓ガラスを割り、車内からバックを奪う手口もありますので、外から見えるところに物を置かない用心が必要です。
外務省被害例。
キ 車両を路上に駐車し、用事を済ませて戻ったところ、窓ガラスが割られてロックを外されており、車内から子供用品が入ったリュックサックを盗まれた。
コ 大通り沿いの歩道において、携帯電話を操作していたところ、道路上を走ってきたバイク(2人乗り)の後部座席に乗っていた男に携帯電話をひったくられた。
中南米共通のバイクひったくりはサンティアゴでも発生。運転中は窓を閉め、必ずドアロック、助手席・膝上にバッグを置かないが基本です。
タイヤパンク偽装 --- 親切心が罠
走行中の典型的な罠。
駐車中にタイヤに穴を開け、走行中パンクに気づいて車両を停めたところで、親切心を装って近づき、気を引いている隙に車内からカバン等を奪う事案も多く発生しておりますので、パンク等車両から降りる際も、必ずドアロックを掛けるようにして下さい。
外務省被害例にも具体的な事例。
ク 車両で移動中、タイヤがパンクしたため停車し、タイヤ交換をしていると、男3人が支援を申し出てきたので修理を手伝ってもらったところ、気づかないうちに車内後部座席に置いていた現金、パスポート、携帯電話、パソコン等が入ったリュックサックを盗まれた。
「親切心」の装いに乗らないこと。タイヤがパンクしたら、ドアロックしたまま信頼できる修理業者を電話で呼ぶのが正解です。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
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走行中の偽装事故・追突誘い込み
他の国では、前の車が急停止したり、後ろから追突されたりして、車両を停止したところで、いきなりピストルを突きつけられて車両を盗られるという事件も発生しています。走行中は、交通事故防止の観点からも十分車間距離をとり、途中不審な車両が追尾しているような場合には、車線を変更するなど十分な注意が必要です。
追突された場合も、停車して直ちに車両から降りるのではなく、追突してきた車両に乗車している者や周囲の状況をよく確認してから事故処理を行うことが必要です。慌ててエンジンをかけたままで車両から離れたところ、乗り逃げされるケースもあります。
中南米共通の手口。追突されてもすぐに降りない、周囲を確認してから対応、エンジンをかけたまま降りない。同じ手口はペルー・リマでも警告、サンパウロでも信号待ち窓割り強盗があります。
交通事故 --- 2024年死者1,635人・歩行者マナーも悪い
チリの交通事故統計(2023年、大使館「安全の手引き」より)。
| 項目 | 件数 |
|---|---|
| 交通事故発生総件数 | 78,238件 |
| 死者数 | 1,635人 |
大使館の評価は厳しい。
チリ人運転者及び歩行者の交通マナーは、私達日本人からすれば極めて悪いと言わざるを得ません。
特に注意すべき道路。
- 国道5号線・68号線・78号線: スピード超過の車両がほとんどで、事故が必然的に重大事故になる
- トランサンティアゴ計画の連結バス: 内輪差で巻き込まれる事故が発生
過去の邦人交通事故事例(大使館「安全の手引き」より)。
- 車道横断中に車にはねられ意識不明・下半身不随
- 旅行者が30トントラックにはねられ重傷
- 南部パタゴニアツアーの団体旅行バスが横転、多数の重軽傷
- イースター島で観光中、無謀運転オートバイの転倒事故に巻き込まれ負傷
- サンペドロ・デ・アタカマでツアーバスが横転、邦人1名死亡
- 国道5号線で大型トラックに衝突、邦人2名死亡
ツアーバスの横転事故が複数件あるのが目立ちます。長距離バス・ツアーバスを使う際はシートベルト装着を徹底すること。
横断歩道以外で渡ると歩行者責任
日本と決定的に違うルール。
道路を横断する場合は、当然のことですが横断歩道を渡るようにして下さい。横断歩道以外での横断中の事故は歩行者の責任になり、運転者保護により、歩行者が重傷であっても車の損害賠償までしなければならない場合があります。
「重傷負っても損害賠償する」という構造はチリ独特。横断歩道を必ず使うのが絶対ルールです。
信号サイクルが日本と違う
チリの信号の表示サイクルは日本の信号と違い、同方向を示している車両用信号と歩行者用信号が同時に赤に変わります。日本の信号は歩行者用信号が赤色に変わってから数秒後に車両用信号が赤色となっていますが、日本と同様の感覚で、歩行者用が青色の点滅表示になったにもかかわらず横断を開始するのは、交通事故につながります。
歩行者用青点滅で渡り始めると、車両用も同時に赤になるタイミングなので、フライング車両に轢かれるリスク大。歩行者用が青の間に渡り切れない場合は次の青を待つのが安全。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
飲酒運転・週末夜間
チリでは飲酒に起因する交通事故が非常に多く、警察も取締りを強化していますが、週末の夜間や祝祭日には飲酒運転が増加。夜間の徒歩での帰宅も危険で、酔っぱらい運転の絡んだ事故のはずみで歩道に乗り上げた車両に轢かれて亡くなった邦人事例もあります。
地下鉄・バスの留意点
外務省「安全対策基礎データ」より。
- 地下鉄: 比較的安全だが、車内でのスリ・置き引きに注意
- バス: 地域によって車内での恐喝・強盗事件あり。乗客が少ないときは運転席の近くに座る
- タクシー: 信頼のおける配車サービスを利用する
配車アプリの使い方
サンティアゴで使える主な配車アプリ。
- Uber: 中南米全域でカバー、料金事前確定
- Cabify: スペイン系で南米シェアが大きい、サンティアゴでは特に普及
- DiDi: アジア系、価格競争で安いことが多い
配車アプリでも乗車前にナンバープレート・運転手の顔をアプリと照合するのは基本。違法タクシーがアプリ車両を装うケースもあります。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
防犯対策まとめ
- 空港のタクシーは内部カウンターか配車アプリのみ、客引きは100%違法タクシー
- 出迎え者は身分証で確認、合致しない車には乗らない
- 走行中は窓を閉めてドアロック、貴重品は車外から見えない場所へ
- 帰宅時の門待ちはポルトナソの危険、付近を確認してから入庫
- タイヤパンク・追突は罠の可能性、すぐに降りない・親切心に乗らない
- 横断歩道を必ず使う、横断歩道以外は歩行者責任
- 配車アプリで乗車前にナンバー・運転手を照合
事故・強盗時の警察被害申告はサンティアゴの治安、ATM周辺の詐欺はサンティアゴの詐欺・ぼったくり・ATM爆破へ。
よくある質問
サンティアゴ国際空港でタクシーに乗るには?
空港内のタクシーカウンターでチケットを購入し、正規のタクシーを利用してください。違法タクシー(白タク)は強引な客引きで料金詐欺・ATM強盗・短時間誘拐の入口になります。配車アプリ(Uber/Cabify)も使えますが、出迎え者を装って違法タクシーに乗せる手口も発生しているため、身分証で確認すること。
ポルトナソって何?
自宅の門が開くのを待っている車を狙う強盗のこと。在チリ大使館「安全の手引き」が独自の名前として警告しています。マンションや独立家屋の駐車場入口で、銃器を持った犯人が乗り込んでくる手口。帰宅時は付近を見回して不審な車・人がいないか確認するのが基本です。
タイヤパンクで停車したらどうする?
走行中に意図的にタイヤをパンクさせ、停車したところで親切心を装って近づき、気を引いている隙に車内から荷物を奪う手口が多発しています。対策は車から降りる際も必ずドアロックをかけること、貴重品は車内に残さないこと、信頼できる修理業者を呼ぶこと。
チリで交通事故に遭ったら?
すぐに管轄の警察署(カラビネロス133番)へ届け出てください。届出が遅れると不利になることがあります。事故現場での示談はトラブルの元なので避けて、相手の氏名・住所・身分証番号・免許証番号・電話番号・ナンバープレートを必ず記録すること。
横断歩道以外で渡って事故に遭ったら?
チリの法律では**歩行者の責任**になり、運転者保護により、重傷を負っても車の損害賠償をしなければならない場合があります。また信号は車両用と歩行者用が同時に赤に変わる仕組みで、日本の感覚で歩行者用青色点滅から渡り始めると事故につながります。必ず横断歩道を使うこと。