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サンサルバドルの詐欺 偽米ドル札と案内誘い全品強奪【2026】

サンサルバドルの詐欺・ぼったくりの手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.05.03 KAIGAI-RISK

サンサルバドルの詐欺・ぼったくりは、「親切な誘いに乗ったら全所持品を奪われる」「タクシー料金が乗ってから跳ね上がる」「米ドル札が偽札だった」の3パターンが主軸。米ドル法定通貨ゆえの偽札リスクや、メーターのないタクシー文化など、エルサルバドル特有の地雷もあります。事例ベースで見ていきます。

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「周辺を案内する」誘い --- 人気のない所で全所持品強奪

エルサルバドルで最も警戒すべき詐欺は、観光地で気さくに声をかけてくる「案内人」です。在エルサルバドル日本国大使館の安全の手引きから:

「周辺を案内する」と誘われ、人気のない所へ連れて行かれ所持品を全て奪われる事件が発生していますので、声を掛けられても、安易に他人を信用しないでください。

スリや軽い詐欺ではなく、全所持品の強盗まで一気に進む手口。スペイン語で「Te muestro la ciudad(街を案内するよ)」と気さくに話しかけられても、笑顔で短く断って立ち去るのが正解です。観光地での声かけにいちいち反応しない、これが命を守る一手になります。

特にセントロ地区(旧市街)や中央市場周辺で発生しやすいパターンで、観光客と分かる外見で単独行動していると標的になります。声かけから凶器強盗に発展する事例もあるので、軽く見ないこと。

タクシーは料金メーターなし --- 乗車前に料金確認の二段構え

エルサルバドルのタクシー文化を理解しないまま乗ると、確実にぼったくりの餌食になります。大使館の説明:

路線バスに比べ、料金は割高になりますが、タクシー会社に連絡し迎車してもらうタクシーは比較的安心して利用できます。なお、タクシーに料金メーターは装備されていませんので、タクシー会社に連絡する際、目的地、および目的地までの料金を確認してください。更にタクシー乗車前に、運転手に目的地までの料金を再確認すれば、なお安心です。

つまり手順は、

  1. タクシー会社に電話して目的地と料金を確認
  2. 配車してもらう(流しのタクシーは避ける)
  3. 乗車前に運転手にも料金再確認
  4. 米ドルは20ドル以下の少額紙幣で支払う(おつり不足対策)

「乗ってから運転手と交渉」ではなく乗る前に確定させる文化、と理解してください。流しのタクシーを街角で拾う日本のような感覚は通用しません。隣国ホンジュラスのテグシガルパでは流しタクシーがATM連行型短時間誘拐の入口になっている事例もあります。

正規タクシーの見分け方も大使館が明示しています:

○車体が黄色である ○車体側面に白黒のチェッカーフラッグ模様の表示がある ○車体側面に登録番号が表示されている(さらにタクシー会社名がある)

黄色の車体・チェッカーフラッグ模様・登録番号、この3点が揃わない車は乗らない。空港・主要ホテルのタクシーカウンターから配車してもらうのが最も安全です。

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配車アプリ --- 使えるが整備不良車両に注意

UberやInDriveといった配車アプリもサンサルバドルで利用できますが、大使館が固有の注意点を出しています:

アプリによる配車サービスも利用可能ですが、整備不良車両である場合が多いです。

つまり「料金トラブルは減るが、車両事故リスクが上がる」というトレードオフ。タイヤ・ブレーキ・シートベルトを乗車時に目視確認して、明らかに整備不良な車両ならキャンセルする判断をしてください。深夜の長距離移動はとくにリスクが上がります。

短期旅行者が一番リスクの低い使い方は、

  • 昼間はホテル経由のタクシー会社配車(料金確定&比較的整備された車両)
  • 夜間は移動を最小化、どうしても動くならホテル手配の専属ドライバー

配車アプリは「割安だが車両品質に当たり外れがある」前提で使う、と理解しておくのが安全側に倒した判断です。

偽米ドル札 --- 100/50ドルは商店が受け取りを嫌う

エルサルバドルは2001年から米ドルを法定通貨にしていますが、現場では偽札問題が根強く残っています。

当地においては、現在は米ドルのみが流通しています。また、100米ドルや50米ドルといった高額紙幣は、多くの商店が受け取りを嫌うため(偽造紙幣のリスクとおつり不足が主な理由)、空港、銀行、またはホテルで20米ドル以下の少額紙幣に両替しておくことをおすすめします。ニセの米ドル札が出回っているとの報道がありますので、現金のやりとりの際はご注意ください。

つまり入国時の両替戦略を間違えると、現地で「使える紙幣」がほぼ無くなるということです。具体的には、

  • 日本出発時に米ドルを準備するなら20ドル以下中心にする
  • 空港到着後、ATMで現地紙幣を引き出すなら少額単位を意識
  • ホテルチェックイン時に高額札を崩してもらう(フロントで両替対応してくれる宿が多い)
  • おつりを受け取るときは紙幣の手触り・透かしを確認する習慣

ビットコインも法定通貨ですが、観光客が日常使いするインフラとしてはまだ整備途上で、現金(米ドル少額紙幣)+クレジットカードの二刀流が現実解。

ATM周辺の観察 --- バイク2人組けん銃強盗の前段

ATMでの現金引き出しは、それ自体が詐欺ではないものの、直後にバイク追跡される強盗の起点になっています。大使館防犯対策:

ATMで現金を引き出す際は、近づいてくる人物がいないか等、周囲の状況に注意を払ってください。

外務省の被害例でも:

TESTIMONY · 旅行者A

銀行で現金を引き出し、帰宅する途中に、2台のバイクに分乗した4人組の男にけん銃で脅され、現金、腕時計等を奪われた。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「エルサルバドル 安全対策基礎データ」

ATMから出た直後の数十分が詐欺と強盗の境界線。対策は、

  • ホテル内・大型商業施設内のATMを選ぶ(路上ATMは避ける)
  • 引き出し前に周囲を一回見渡す、不自然に近い人物がいたら別のATMへ
  • 引き出し後はそのまま車両(タクシー・配車アプリ)で移動、徒歩は避ける
  • 腕時計や派手なアクセサリーを着けない(観察犯のターゲティング材料)

引き出し金額自体も、必要最小限にとどめる。ホテル金庫に分散保管して、1回の現金保有量を200ドル以下に抑えておくと、最悪奪われたときの被害も限定できます。

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宿の客引きトラブル --- 口論しない、無視する

宿の客引きとの揉め事も大使館の事例に記録されています。

宿の客引きと口論になり、周辺にいた男2人から投石を受け、顔面を数針縫う怪我を負った

口論に発展させない。これがエルサルバドルでは命を守る判断です。大使館の国民性についての注意:

真面目で親切な国民性ながら、現地の人との交際にあたっては、金銭の貸し借り、物の売買等においてのトラブルが発生しないようにすることが賢明です。委託殺人等の私的制裁も過去には発生していましたので、万一、トラブルが発生しても、個人的な恨みを買うような対応はしないように留意してください

個人的な恨みを買わないように動く、これが大使館の明確なメッセージ。バスターミナル周辺や旧市街の安宿で客引きに勧誘されたら、断るときも短く・笑顔で・立ち止まらない。日本人感覚で「丁寧に説明して断る」は逆効果になることがあります。

手口早見表

手口発生場所対策
「街を案内する」誘いセントロ地区・中央市場周辺声かけは短く断り立ち去る
メーターなしタクシー料金交渉流しタクシー全般電話配車+乗車前料金再確認
配車アプリ整備不良車両Uber/InDrive等乗車時にタイヤ・ベルト目視
偽米ドル札・高額札拒否商店・市場20ドル以下に両替・透かし確認
ATM追跡(バイク2人組)銀行・ATM周辺ホテル内ATM+直後は車両移動
宿の客引き口論バスターミナル・旧市街短く断る・口論回避

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出発前に決めておくこと

サンサルバドルでの詐欺・ぼったくり対策は、「現地で判断しない」「出発前にルールを決めて機械的に動く」だけで結果が大きく変わります。

  • タクシーは事前予約制: ホテル経由か正規会社の電話配車のみ
  • 米ドルは20ドル以下中心: 出発前と空港到着時の両替で揃える
  • 「案内する」誘いは反射で断る: 立ち止まらず、笑顔で短く
  • ATMはホテル内・商業施設内: 路上ATMは避ける
  • 腕時計・アクセサリーを外す: 観察犯のターゲティング材料を減らす
  • ホテル金庫で現金分散: 1回の現金保有を200ドル以下
  • 配車アプリは昼間限定で目視確認: 整備不良が疑われたらキャンセル

被害に遭った場合の対応

詐欺・ぼったくりが強盗に発展した場合、まずは抵抗しない。次に、

  1. 安全な場所に移動: ホテル・大型商業施設・大使館
  2. 警察 911、被害届提出 122: ポリスレポート取得(保険請求に必須)
  3. クレジットカード会社に連絡: 国際電話または直営アプリでカード停止
  4. 海外旅行保険会社に連絡: 24時間サポートデスクから手続き案内
  5. 大使館 領事班直通 (503) 2528-1125: パスポート紛失等の場合

軽い金銭被害(タクシー料金ぼったくり数十ドル等)なら、現場では支払って速やかに離れる判断のほうが、その後の身の安全という意味では合理的です。「払って後悔」より「揉めて怪我」の方がはるかに痛手、これがエルサルバドルでは現実的な計算です。

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強盗エスカレートのリスクと医療搬送 --- 中南米地域の参考額

エルサルバドルでは詐欺がいきなり強盗に化け、刃物・銃使用が一般化しているため、怪我からの医療搬送まで想定する必要があります。中南米地域の保険会社事例でペルーで脳梗塞→医療搬送1,144万円(SBI損保)。エルサルバドル単独での支払事例は公表されていませんが、サンサルバドルから米国・メキシコへの医療搬送が現実解で、緊急移送サービス付きの海外旅行保険は実質必須です。詳しい比較は中南米の海外旅行保険で。

よくある質問

サンサルバドルでタクシーにメーターはありますか?

ありません。大使館が「タクシーに料金メーターは装備されていません」と明示しています。タクシー会社に電話で目的地と料金を確認してから配車を依頼し、乗車前に運転手にも料金を再確認するのが大使館推奨の手順です。流しのタクシーを街角で拾うやり方は避けてください。

100ドル札・50ドル札は使えますか?

多くの商店が受け取りを嫌います。偽造紙幣のリスクとおつり不足が理由で、大使館は「空港、銀行、またはホテルで20米ドル以下の少額紙幣に両替しておく」ことを推奨。米ドルのみが法定通貨ですが、実用上は20ドル以下に揃えるのが無難です。

「街を案内する」と声をかけられたら?

ついて行かないでください。大使館事例で「『周辺を案内する』と誘われ、人気のない所へ連れて行かれ所持品を全て奪われる事件が発生」と明示されています。声をかけられても、安易に他人を信用しないことが大使館の指針です。

出典

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