サンサルバドルの窃盗・ひったくりは、2025年だけで2,299件(強盗事件288件は別途)。例外措置体制で殺人は激減しましたが、窃盗系犯罪は健在です。被害品目は「金銭のほか、携帯電話、パソコン、タブレット、キャッシュカード等」(在エルサルバドル大使館)。隣国ホンジュラスでは窃盗がそのまま拳銃強盗にエスカレートする事例が多発していますが、エルサルバドルでも刃物使用は一般化しています。観光客が狙われるパターンを大使館・外務省の事例で見ていきます。
Travel Alert 01
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セントロ地区(旧市街)の首掛けカメラ・バッグ強奪
サンサルバドル中心部のセントロ地区(旧市街)は、観光名所が集中する一方で日本人被害が最も集中するエリア。外務省の被害例から:
セントロ地区(旧市街)を散策中に、首に掛けていたカメラを強奪された。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「エルサルバドル 安全対策基礎データ」)
首から掛けたカメラ・スマホ・ネックレスは「持ってください」と書いた看板と同じ。観光地で写真を撮りたいなら、撮影時だけバッグから出し、終わったら即しまうを儀式化してください。スマホで撮るならストラップ付きケースで手に固定する、あるいは三脚とBluetoothシャッターでバッグから出す回数自体を減らす。
旧市街の徒歩観光は「昼間・複数人・短時間」を守ることがリスクを大きく下げます。旅行者を狙う武装集団の事例も外務省データにあります。
徒歩で移動中、数人の強盗犯に刃物で襲撃され、パスポートや財布が入ったバッグを強奪された。その際、刃物で腹部を刺された。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「エルサルバドル 安全対策基礎データ」)
腹部刺傷で生死に関わる怪我を負った日本人事例が、データの上では現実に残っている、という事実だけは押さえておいてください。
警備員常駐の駐車場でも10分の隙に車上荒らし
サンサルバドルで観光客が驚きやすい手口がこれ。レストランで食事中、警備員のいる駐車場に車を停めていても被害に遭う。
レストランにて昼食を取るために警備員が常駐している駐車場へ車両を駐車し、貴重品の入ったバッグを車内に置いたまま約10分程度車両を離れた際に、車両の扉をこじ開けられ、貴重品の入ったバッグを窃取された。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「エルサルバドル 安全対策基礎データ」)
警備員がいても10分でやられる、これがエルサルバドルの現実です。大使館の指針:
車上荒らしに関しては、路上駐車中の車両が多く被害に遭っていることから、路上駐車はできるだけ避けるとともに、車両から離れる際は、外部から見える車内に荷物を残さないことが肝要です。やむを得ず車内に荷物を残さざるを得ない場合は、トランク等の外部から見えない場所に移動させてください
レンタカー利用時の鉄則は、「車内に何も置かない」を毎回毎回徹底すること。短時間でも一切の例外なし。トランクに移動させるのも、車に到着してから動かすのではなく、出発前に最初から積む。荷物の動きを犯人に見せない。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
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バス内のスリ・ひったくり --- 大使館は乗車自体を禁止推奨
エルサルバドルの公共交通手段は基本的に路線バスのみ(鉄道なし)ですが、大使館はそもそもバス乗車を禁止対象にしています。
路線バス車内や観光名所での窃盗や強盗事件も多く
国民の日常の移動手段とされている路線バスですが、車内では窃盗等の事件が多く発生していることから、路線バスへの乗車は控えてください
短期旅行者なら配車アプリかタクシーで完結するのが現実的です。料金は割高ですが、命と財布を守る投資と考える。グアテマラなど近隣国に陸路で抜ける場合も、地元の路線バスではなく長距離国際バス会社(プルマンバス等)を選ぶようにしてください。
銀行・ATM追跡 --- バイク2人組けん銃強盗
エルサルバドル特有とは言えませんが、中米全体で頻発する手口の典型。
銀行で現金を引き出し、帰宅する途中に、2台のバイクに分乗した4人組の男にけん銃で脅され、現金、腕時計等を奪われた。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「エルサルバドル 安全対策基礎データ」)
ATMから出た直後の数十分が最大のリスク帯。引き出し直後に徒歩で移動するパターンを避けて、ホテル内・大型商業施設内のATMを使う+引き出し後はそのまま車両で移動を組み合わせると、バイク追跡をかなり防げます。腕時計など光る物を身に付けない点もセットで。
ホテル内・宿の盗難 --- 安宿だけでなく一定基準のホテルでも
ホテル滞在中の盗難も外務省データに記録されています。
長距離バスターミナル付近の安価なホテルに宿泊した際、ホテルにて現金などが入った荷物を盗まれた。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「エルサルバドル 安全対策基礎データ」)
それだけならまだ「安宿だから」と納得しがちですが、もう1件。
一定基準を有するホテルにもかかわらず、寝袋、現金、航空券を盗まれた。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「エルサルバドル 安全対策基礎データ」)
「一定基準を有するホテル」でも盗まれる。これがエルサルバドルです。対策は、
- 客室内金庫の使用(暗証番号は予約者の生年月日にしない)
- 貴重品はフロント金庫に預ける(金庫付き客室がない宿)
- 長距離バスターミナル付近の宿は外す(旧市街の安宿問題と被る)
- チェックアウト時に客室内全箇所をスマホ撮影して、何があったかを記録する
特にパスポートと航空券は分散して保管、コピーをクラウドにアップしておくと、盗難時の再発行プロセスが早く進みます。貴重品の分散携行の具体策はスリ対策グッズ比較が参考になります。
Travel Alert 03
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レストランでの財布盗難・宿の客引きトラブル
外務省データに記録されている軽い被害から重い傷害まで:
市内レストランにおいて窃盗に遭い、現金およびクレジットカードの入った財布を盗まれた
宿の客引きと口論になり、周辺にいた男2人から投石を受け、顔面を数針縫う怪我を負った
レストランではバッグを椅子の背もたれに掛けない、足元の床に置くなら自分の足で踏む。宿の客引きは口論しない、無視するか短く断る。エルサルバドル人の国民性について大使館はこう書いています。
真面目で親切な国民性ながら、現地の人との交際にあたっては、金銭の貸し借り、物の売買等においてのトラブルが発生しないようにすることが賢明です。委託殺人等の私的制裁も過去には発生していましたので、万一、トラブルが発生しても、個人的な恨みを買うような対応はしないように留意してください
口論に発展させない。これが命を守る判断です。
手口早見表
| 手口 | 発生場所 | 対策 |
|---|---|---|
| 首掛けカメラ・バッグ強奪 | セントロ地区(旧市街) | カメラはバッグに入れて撮影時だけ出す、首掛けNG |
| 警備員常駐駐車場の車上荒らし | 商業施設・レストラン駐車場 | 車内に荷物を一切残さない |
| バス車内のスリ・強盗 | 路線バス全般 | バスは使わない(大使館明示) |
| 銀行・ATM追跡(バイク2人組) | 銀行・ATM周辺 | ホテル内ATM+直後は車両移動 |
| 安宿・一定基準ホテルでの盗難 | バスターミナル付近 / 一般ホテル | 客室金庫+フロント金庫の二段、撮影記録 |
| レストランの財布盗難 | 飲食店全般 | バッグを背もたれに掛けない、足元死守 |
| 「案内する」誘い | 観光地・路上 | 声かけは無視、知らない人について行かない |
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
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予防策 --- 出発前に決めておくこと
サンサルバドルの窃盗対策は、「出発前にどう持ち歩くか」を決めておくだけで結果が大きく変わります。
- 後ろポケット禁止: 大使館明示。財布・スマホは前ポケットかボディバッグ
- 捨て金20ドル+古いスマホ: 強盗時の差し出し用、すぐ取り出せる場所に
- ボディバッグは斜めがけ+前持ち: ひったくり対策。リュックは「簡単に開く構造」を避ける
- 米ドルは20ドル札以下: 100/50ドルは商店が嫌う、両替時に20ドル札以下を要望
- ホテル選びはエスカロン・サンベニート: 旧市街の安宿は明示的に避ける
- 路線バスは使わない: 配車アプリかタクシーで完結
- 観光は昼間・短時間・複数人: 旧市街単独散策を控える
- 撮影は政府関係施設NG: 警察・軍施設にカメラを向けない
被害に遭った場合の対応
万が一被害に遭ったら、まず抵抗しない、これが最優先。次に、
- 自身の安全確保: 安全な場所(ホテル・大型商業施設・大使館)まで移動
- 警察 911、被害届提出 122: ポリスレポート取得(保険請求に必須)
- クレジットカード会社に連絡: 国際電話または直営アプリでカード停止
- パスポート盗難: 警察証明書を取得後、在エルサルバドル日本国大使館(領事班直通 2528-1125)で再発行手続き
- 必要書類: 一般旅券紛失届、再発給申請書、戸籍謄本、警察証明書、写真2枚
- 海外旅行保険会社に連絡: 24時間サポートデスクから手続き案内
クレジットカード盗難・パスポート盗難への対応は時間が命。カードは盗難に気づいた瞬間に停止、これだけで不正利用のリスクが大幅に下がります。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
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凶器強盗のリスクと医療搬送 --- 中南米地域の参考額
エルサルバドルの強盗は刃物・銃使用が一般化しているため、腹部刺傷・打撲で重傷になる可能性があります。中南米地域の保険会社事例でペルーで脳梗塞→医療搬送1,144万円(SBI損保)。傷害でも同レベルの搬送費用が想定されます。エルサルバドルの場合、サンサルバドルから米国・メキシコへの医療搬送が現実解で、緊急移送サービス付きの海外旅行保険は実質必須です。詳しい比較は中南米の海外旅行保険で。
よくある質問
サンサルバドルでスリ被害が一番多いのはどこ?
セントロ地区(旧市街)です。外務省の日本人被害例には「セントロ地区を散策中に首に掛けていたカメラを強奪された」事案が記録されており、大使館も「過去に日本人が被害者となった事件・事故の多くはこの地域で発生」と書いています。観光自体は昼間に短時間で済ませ、宿泊は旧市街を避けるのが大使館推奨です。
路線バスは使っていい?
大使館は使わないことを公式に求めています。「安全のための三原則」の1つに「路線バスの利用はしない」が入っており、車内での窃盗が多いのが理由。徒歩・配車アプリ・正規タクシーで移動してください。バスターミナル周辺の安価なホテルも盗難事例があり、宿選びと併せて避ける対象です。
強盗に遭ったら抵抗していい?
抵抗しないでください。エルサルバドルの強盗は銃器・刃物使用が一般化しており、抵抗で致傷した日本人事例(刃物で腹部刺傷、けん銃で殴打)が外務省データに具体的に記録されています。捨て金20ドルと普段使いと別の安スマホをすぐ差し出せる場所に持ち、目配せで場所を伝えて差し出すのが大使館推奨の対処です。