アンマンのスリ・ひったくり・空き巣で意外なのは、狙われやすいのが高級住宅街だということ。観光ガイドだと「治安の良いエリア」と書かれるスウェイフィーヤ、シュメイサーニ、アブドゥーン、ウンム・ウゼイナの4地区が、大使館の手引きで名指しされている被害発生エリア。富裕層が住むからこそ狙われる、という構造。
ヨルダン公安総局の統計では2024年の犯罪総件数は23,982件で前年比+5.26%増。経済情勢の悪化を背景に、銀行・店舗を狙った強盗だけでなく、観光地での強盗による日本人被害も発生している。
Travel Alert 01
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高級住宅街で起きている日本人被害
大使館の手引き(2025年2月版)にはこう書かれている。
スウェイフィーヤ(Sweifieh)地区やシュメ―サーニ(Shmeisani)地区、アブドゥーン(Abdoun)地区、ウンム・ウゼイナ(Um-Utheinah)地区などのビジネス街や高級住宅街において、ひったくり事件、車上狙い事件や空き巣事件が発生しています。
具体的な日本人被害として記録されているのは次の事案。
- 2019年: アブドゥーン地区で邦人のひったくり被害
- 2020年: ウンム・ウゼイナ地区で邦人の空き巣被害
- 2018年: スポーツジムの更衣室ロッカー(暗証番号付き)に保管していた現金が盗難
ジムの暗証番号付きロッカーまで破られている、というのが象徴的。「貴重品を入れたから安心」が通用しない。
後方から接近する車両に注意
外務省の安全対策基礎データには、ひったくりの典型パターンと対策が明記されている。
徒歩で移動する際は、周りの様子に十分注意する。特に後方からゆっくり走ってくる車両、近くに来て急にスピードを緩める車両等には注意する。
歩道は日本より縁石が高くて樹木や障害物が多く、車道を歩かざるを得ないことがある。手引きでは車道側を避けて建物側を歩く、ハンドバッグは車道の反対側に持つことを推奨している。ウエストポーチやポシェットは自分の前で抱える。
Travel Alert 02
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ダウンタウン・ショッピングモールのスリ
「裏通りなどの人気が少ない場所での窃盗(すり、ひったくり等)被害や、ダウンタウンおよびショッピングモールなど人が混み合う場所での窃盗被害」も発生している。レストランで椅子に置いたバッグが取られるパターンも警告されているので、食事中もバッグは常に膝の上か身体に密着させておく。
ズボンの後ろポケットに財布を入れるのは論外。買い物やタクシーの支払い時に財布の中身を周囲に見せないのも重要。
就寝中の侵入盗 --- 施錠忘れがほぼ全て
外務省の空き巣・侵入盗対策はシンプルで、これだけ守れば防げる。
就寝時含め、常時施錠(玄関ドア、窓、ベランダ等)する(就寝中の盗難被害の多くは、就寝前にドアを施錠していなかった、または、施錠したかどうか覚えていない時に発生している)。
アンマンは高地で夜間は涼しいので、夏でも窓を開けっ放しで寝る人がいる。1階・2階のホテル/アパートメント宿泊時は要注意。長期滞在のアパートでは「侵入が難しい上層階を選定する」「窓・ベランダにシャッターがあれば外出時や夕方には下ろす」のが推奨されている。
帰宅時にドアが壊れている等の侵入痕跡があれば、絶対に一人で中に入らず警察(911)に連絡してから入る。室内に犯人が留まっている可能性があるため。
アブドゥーン地区のホテルから歩いてカフェに行く途中、後ろからゆっくり近づいてきたバイクにバッグを引っ張られた。手引きが言ってる「ハンドバッグは車道の反対側に持つ」を守ってなかったのが悔しい。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在ヨルダン日本国大使館「安全の手引」のひったくり手口とアブドゥーン地区での日本人被害事例を基に構成)
Travel Alert 03
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車上狙い --- 短時間でもロック
車上狙い事件もアンマンの高級住宅街で頻発している。手引きの対策は明快。
車両にて移動する場合、短時間であっても必ずドアは全てロックする。車両から離れる場合は、車内に貴重品を残したり、車窓から覗いて見える場所に貴重品は入っていなくともバッグ類を放置したりしない。
「中身が空のバッグでも放置しない」のがポイント。空に見えても泥棒は確認のためにガラスを割る。特にパソコンバッグは狙われやすいので、アンマン市内で車に置きっぱなしにするのは避ける。
手口早見表
| 手口 | 発生エリア | 対策 |
|---|---|---|
| 後方接近車両のひったくり | 高級住宅街・裏通り | 建物側を歩き、バッグは車道の反対側 |
| 高級住宅街の空き巣 | スウェイフィーヤ/アブドゥーン等 | 常時施錠、上層階選定、シャッター活用 |
| ダウンタウン・SCのスリ | 人混み | 後ろポケット禁止、ウエストポーチは前抱え |
| レストランの置き引き | 椅子・足元放置 | バッグは常時膝上または身体密着 |
| 車上狙い | 高級住宅街・路上駐車 | 短時間でもロック、空バッグも放置しない |
| ジムロッカー盗難 | スポーツジム | 現金は持ち込まない |
Travel Alert 04
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予防策
- 服装と持ち方: ハンドバッグは車道の反対側、ウエストポーチは前抱え、後ろポケットに財布NG
- 歩く位置: 車道側を避けて建物側を歩く
- 車両警戒: 後方からゆっくり走ってくる車両、急にスピードを緩める車両は避ける
- 施錠習慣: 玄関・窓・ベランダの常時施錠、車両は短時間でもロック
- 抵抗禁止: ヨルダンは無許可銃器が広く出回っているため、強盗時は絶対に抵抗しない
Travel Alert 05
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準備はできていますか?
被害に遭った場合の対応
- 抵抗せずバッグや財布は渡す(命優先、相手は銃を持っている前提)
- 安全な場所まで退避してから警察(911)に通報
- クレジットカードは即停止(在ヨルダン大使館サイトに各カード会社連絡先あり)
- パスポート紛失時は 在ヨルダン日本国大使館(06-593-2005) へ
- 海外旅行保険の携行品損害補償の請求には警察の被害証明書が必要なので必ず取得
ヨルダン全体の犯罪概況・銃器事情は 国ページ を、保険の補償内容は 中東旅行の保険ガイド を確認してから出発を。
よくある質問
アンマンで一番ひったくりが多いエリアは?
大使館の手引きが名指ししているのはスウェイフィーヤ/シュメイサーニ/アブドゥーン/ウンム・ウゼイナの4地区。いずれも観光ガイドだと「治安が良い高級住宅街」と書かれることが多いビジネス街・富裕層エリアです。2019年にアブドゥーン地区で日本人がひったくり被害、2020年にウンム・ウゼイナ地区で空き巣被害が報告されています。
ひったくりに遭いそうになったら抵抗していい?
絶対に抵抗しないでください。外務省は「興奮した犯人から暴行を受けたり、ひったくりに遭った際にバッグ等を離さず、車両に引きずられたりすることで怪我を負う危険性がある」と明記しています。さらにヨルダンは無許可銃器が広く出回っていて2024年だけで1,730件の発砲事件が起きているため、相手が銃を持っている前提で動くこと。
ホテルの部屋でも貴重品の管理は必要?
必要です。手引きには「就寝中の盗難被害の多くは、就寝前にドアを施錠していなかった、または、施錠したかどうか覚えていない時に発生している」とあり、玄関ドア・窓・ベランダの常時施錠が基本。アパート滞在の場合は「アパートの管理人や使用人が内から手引きしているケースもあります」とまで書かれているので、貴重品はセーフティボックスへ。