ヨルダンは中東の中では治安が比較的安定していて女性のヒジャブ義務もない国だけれど、性犯罪のリスクは出発前に必ず把握しておきたい。大使館の手引きには日本人女性への強制性交・未遂・痴漢被害が報告されていると明記されていて、しかもこの種の犯罪は警察に被害届が出にくいため統計に表れる数字より実態は多い。
外務省の安全対策基礎データもこう書いている。
ヨルダンにおける性犯罪は、警察に被害届が提出されていないケースが多く
「被害届が出にくい」のは、男性主導の社会で被害者女性が発言しづらい構造があるため。観光客が思っているより身近なリスクだと前提を変えておこう。
Travel Alert 01
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タクシー・配車サービスの「助手席に座らない」ルール
これが一番シンプルで効果的なルール。手引きはこう明言している。
タクシー乗車時や配車サービスを利用する際は助手席には座らない。
アンマン在住の邦人女性の間では基本中の基本のルールで、運転手と密室で隣り合わないことが目的。後部座席なら降車もしやすく、運転手から触られるリスクも減る。配車アプリ(Uber/Careem)なら乗車記録・運転手氏名・車両番号が事前にわかるので、流しタクシーよりはるかに安全。
複数の男性と同乗する乗合バス等の利用はなるべく避ける。
セルビス(白色の乗合タクシー)は安いけれど、女性一人で複数の男性と同乗する状況は避けたほうがいい。多少高くても通常タクシー(黄色)か配車アプリで。
知人でも閉鎖空間で二人きりにならない
手引きの一行で「これは覚えておこう」というのがこれ。
閉鎖された空間で異性と二人きりになることは知人であっても極力避ける。
旅先で知り合った男性のホテル部屋・自宅・自家用車に二人で乗らない。「観光案内するよ」「うちで食事を」と誘われても、レストランやカフェなど公共空間に切り替える。マッチングアプリ・SNS経由で会う場合のぼったくりとも繋がっていて、密室誘導が次のリスクの入口になりやすい。
Travel Alert 02
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「おかしい」と感じたら大声で逃げる
男性が身体を触ってくる、性的な行為を求めてくる、親しげに話しかけてくる、後をついて歩いてくるなど男性の態度がおかしいと感じたら、きっぱりと断る、大声を出す、その場から走って逃げる、警察に通報する。
「失礼かな」と思って曖昧に対応するのが一番危ない。きっぱり断る・大声を出す・走って逃げるを順番にやることが書かれている。アラビア語で「警察」はシュルタ(または英語のポリース)、「助けて」はサーイドゥニイ。
少年が外国人女性に近づくケース
意外な手口として、手引きは少年(未成年)による接触を明確に警告している。
少年が外国人の女性に路上で、声をかけ、つきまとってくる、接触しようとしてくるといった例が報告されていることから、相手が少年であっても油断しない。
「子供だから安全」と油断していると不意打ちで触られる、というパターン。距離を取って人通りの多い場所へ移動するのが基本。
Travel Alert 03
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イード等の祝祭時は男性集中エリアを避ける
イードなどの祝祭時において、特に若い男性が多く集まる地域(繁華街等)には近付かないようにする。
イード(ラマダン明けの祭り、犠牲祭等)の時期は若い男性が街に繰り出していて、女性へのちょっかい・痴漢が増える。アンマン市内の繁華街(ダウンタウン、シュメイサーニのウィークエンド・マーケット等)はこの時期だけ避ける、というのが現実的な対処。
服装は「肌の露出を控える」
手引きの服装ルール。
胸元が見えるシャツ、ショートパンツ等肌の露出の多い服装は極力避ける。
サウジのようなアバヤ義務はないけれど、ノースリーブ・短パン・短いスカートは避ける。長袖長ズボン、夏は薄手の麻シャツ+ロングパンツ、で観光地は十分。宗教施設訪問時はストールを1枚持ち歩いて頭・肩を覆えるようにしておくと無難。
ペトラ観光の帰り、流しのタクシーで助手席に座ったら運転手が腿を触ってきた。後部座席ルールを聞いていたのに「短い距離だし」と油断したのが悔しい。配車アプリで乗ればよかった。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在ヨルダン日本国大使館「安全の手引」のタクシー助手席禁止ルールと痴漢被害事例を基に構成)
Travel Alert 04
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手口早見表
| 手口 | 状況 | 対策 |
|---|---|---|
| タクシー運転手の痴漢 | 助手席着席時 | 必ず後部座席。配車アプリで記録残す |
| 乗合バスでの痴漢 | 複数男性と同乗 | セルビス避けて通常タクシー or 配車アプリ |
| 知人男性による密室誘導 | ホテル部屋・自宅・車 | 公共空間限定、二人きりにならない |
| 路上のつきまとい | 男性・少年問わず | 大声で断る、走って逃げる、人通り多い場所へ |
| 祝祭時の繁華街での痴漢 | イード等の人混み | 該当時期は繁華街を避ける |
予防策
- 助手席禁止ルールを死守: タクシー・配車アプリでは必ず後部座席
- 配車アプリ優先: Uber/Careemで乗車記録を残す(流しタクシー・乗合タクシーは避ける)
- 服装: ノースリーブ・短パン・短いスカートは避け、長袖長ズボン
- 密室回避: 知人でも異性と二人きりの密室(部屋・車)に入らない
- 異常時の対応: きっぱり断る → 大声 → 走って逃げる → 警察通報、の順
- 祝祭時: イード期の繁華街・若い男性集中エリアに近づかない
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭った場合の対応
- 安全な場所まで退避(公共空間、人通りの多い場所、ホテル)
- 警察(911)に通報。アラビア語が不安なら英語でも通じる(手引きに「英語可」と明記)
- 在ヨルダン日本国大使館(06-593-2005)に相談 --- 女性領事の対応や弁護士紹介、医療機関手配
- 医療機関での診察(Al Khalidi Medical Center 06-464-4281 など私立病院)
- 海外旅行保険の救援者費用・治療費請求のため診断書と被害届コピーを取得
アンマンの他のトラブル(ひったくり・ぼったくり・健康)はアンマン都市ページから、ヨルダン全体の法律・治安は国ページで確認を。
よくある質問
アンマンでタクシーに乗るとき気をつけることは?
大使館の手引きが明確に書いている1点だけ守ってください。「タクシー乗車時や配車サービスを利用する際は助手席には座らない」。後部座席に座る、可能なら配車アプリ(Uber/Careem)で乗車記録を残す、複数の男性と同乗する乗合バスは避ける、の3つが基本です。
路上で少年が話しかけてきたら警戒すべき?
はい。手引きには「少年が外国人の女性に路上で、声をかけ、つきまとってくる、接触しようとしてくるといった例が報告されていることから、相手が少年であっても油断しない」と明記。子供だから安全、は通用しません。距離を取って人通りの多い場所へ移動を。
服装はどこまで気をつけるべき?
手引きは「胸元が見えるシャツ、ショートパンツ等肌の露出の多い服装は極力避ける」と書いています。中東地域で日本人女性が遭った被害には服装の影響が指摘されているケースもあります。観光地でも肌の露出を抑えるのが安全側。アバヤ義務はないので普通の長袖長ズボンで十分です。