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プノンペンのスリ バイクひったくりとナイフ紐切断【2026】

プノンペンのスリ・置き引きの手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.12 KAIGAI-RISK

プノンペンで日本人が遭う犯罪の中で最も多いのが、ひったくりとスリです。2023年1〜3月の3か月間だけで、日本人のひったくり被害がプノンペンで5件、窃盗が2件報告されています。ただし大使館いわく「軽犯罪は大半が届け出されておらず、実際の発生件数はこれよりも相当多い」とのこと。

プノンペンのひったくりの特徴は、バイクを使った強引な手口が中心という点。バンコクのような電車内の「こっそり抜く」タイプとは違い、バイクで接近して力ずくで奪い取るパターンが多く、怪我を伴うケースが珍しくないのが怖いところです。

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バイクひったくり — プノンペン最多の手口

大使館の「犯罪被害事例」に載っているひったくり事例7件のうち、大半がバイクを使った手口です。パターンは大きく3つに分かれます。

パターン1:追い越しざまに奪う

二人乗りバイクが歩行者やトゥクトゥク乗車中の旅行者に後方から接近し、追い越しざまにスマートフォンやカバンをひったくって逃走します。スマートフォンを路上で操作しているとき、手に持っているカバンを奪うとき、トゥクトゥクが渋滞で停止したときなど、状況を選ばず発生しています。

TESTIMONY · 旅行者A

トゥクトゥクで空港に向かう途中、渋滞で停まったときにバイクに乗った男がすっと近づいてきて、膝の上の手提げカバンとキャリーケースを一瞬で持っていかれました。パスポートも入っていたので旅行を続けられなくなりました。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在カンボジア日本国大使館「犯罪被害事例と対策」

パターン2:ナイフで肩紐を切断

たすき掛けにしたバッグの紐をナイフで切ってバッグを強奪する手口です。紐だけでなく、腕もナイフで切りつけられて怪我を負った事例が大使館の犯罪被害事例に記録されています。

パターン3:体当たり・突進で驚かせて奪う

バイクで歩行者に突っ込み、驚いて立ちすくんだ隙にカバンをひったくるパターン。また、肩紐を強く引っ張ることで被害者を転倒させ、腕を骨折する重傷を負わせた事例もあります。

大使館はこう明記しています。

被害に遭った際、奪われそうになったバッグを離すまいと抵抗したり、バッグの肩ひもを引きずられることなどして転倒し、重傷を負ったり死亡するケースも実際に発生していますので、絶対に抵抗しないでください。

トゥクトゥク運転手の共謀ひったくり

流しのトゥクトゥクに乗ったら、ドライバーが誰かに電話で連絡した後にわざと低速で走行。その直後にバイクのひったくり犯がカバンとスマートフォンを奪って逃走した、という運転手とひったくり犯が共謀していた事例が大使館に記録されています。王宮観光後に捕まえた流しのトゥクトゥクで発生しました。

TESTIMONY · 旅行者B

王宮を見た後、道で拾ったトゥクトゥクに乗ったんですが、運転手がすぐスマホで電話し始めて、その後やたらゆっくり走り出して。変だなと思った瞬間、横からバイクが来てカバンとスマホを持っていかれました。運転手はそのまま止まって降ろされて終わり。グルだったんだと思います。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在カンボジア日本国大使館「犯罪被害事例と対策」

配車アプリを使えば運転手の身元が記録されるため、このリスクは大幅に下がります。大使館も「料金を事前に確認ができるアプリを利用したタクシー」の利用を推奨しています。トゥクトゥク共謀の詳細や料金トラブルはプノンペンの交通トラブルにまとめています。

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子供集団スリ・マーケットでのスリ

バイクひったくりとは別に、人混みでのスリも多発しています。

  • 物乞いの子供の集団にまとわりつかれ、気がつくとショルダーバッグのチャックが開いて財布がなくなっていた
  • マーケットやショッピングモールで買い物中、リュックのチャックを開けられて財布を抜かれた
  • 繁華街のバーを出たところで複数の子供達に囲まれ、気がつくと財布を盗られていた。夜の繁華街ではスリだけでなく昏睡強盗の入口にもなります
TESTIMONY · 旅行者C

プノンペンの市場で買い物をしていたら、気づかないうちにリュックのチャックが開けられていて、中の財布がなくなっていました。いつやられたのか全く分かりません。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在カンボジア日本国大使館「犯罪被害事例と対策」

レストラン・屋外での置き引き

食事中や休憩中の油断も狙われます。

  • レストランで隣の椅子にバッグを置いていたら、気がつくとバッグごとなくなっていた
  • オープンテラスでテーブルの上に携帯電話を出したまま食事していたら、犯人が携帯を奪って逃走
  • プノンペンの公園でテントを張って泊まっていたバックパッカーが、財布・携帯・パスポートなど身の回りの品をすべて盗まれた

公園で野宿していた旅行者は、一人旅でお金を借りるあてもなく、パスポートの再発行も帰国もできない状況に陥っています。

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手口早見表

手口発生場面注意すべきサイン主な対策
バイク追い越しひったくり路上・トゥクトゥク乗車中後方からバイクが接近スマホを路上で出さない、トゥクトゥクでも荷物を体に密着
ナイフ紐切断歩行中後方からバイクが接近紐に頼らず貴重品は内ポケットに分散
体当たり・突進歩行中バイクが不自然に接近抵抗せず荷物を手放す(怪我防止)
トゥクトゥク共謀流しのトゥクトゥク乗車中運転手が電話→低速走行配車アプリを使う
子供集団スリマーケット・繁華街子供がまとわりつくバッグは前抱え、チャック付きの内ポケットに貴重品
市場・モールでのスリ人混みでの買い物中背後に不自然な密着リュックは前抱え
レストラン置き引き食事中荷物を椅子やテーブルに放置バッグは膝の上

予防策

大使館の「安全の手引き」に載っている防犯対策を中心にまとめます。

  1. 手荷物をできるだけ持たない — 両手を自由に使える状態が基本。大使館の明示指示です
  2. パスポート・現金・携帯を同じバッグに入れない — 全部奪われると身動きが取れなくなる。分散が鉄則
  3. 歩行中にスマホやカメラを出さない — 「スマートフォンを狙ったひったくりが多数発生」と大使館が警告
  4. バッグはたすき掛け+車道と反対側 — ただし強引に引っ張られることもあるため、貴重品はバッグ外の内ポケットに
  5. トゥクトゥクは配車アプリで呼ぶ — 流しのトゥクトゥクはひったくり犯との共謀リスクあり
  6. レストランでは荷物を椅子やテーブルに置かない — 膝の上か身体に密着させる
  7. レストランや施設の出口では周囲を確認 — 外国人の出入りが多い施設付近でターゲットを物色してから犯行に及ぶ事例が報告されています
  8. 連休シーズンは特に警戒 — クメール正月・水祭り・年末年始はひったくり・スリが増加すると大使館が明記

シェムリアップでも遺跡観光中のスリや子供集団スリが報告されています。手口の比較はシェムリアップのスリ・置き引きを参考にしてください。

ひったくり対策グッズ(セキュリティポーチ・盗難防止リュック)の選び方は スリ対策グッズ比較 にまとめています。

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もし被害に遭ったら

プノンペンでは「被害届の受理すらされないことも珍しくない」と大使館が注意しています。それでも盗難証明書は保険請求に必要なので、粘り強く対応してください。

  1. まず安全を確保する — ひったくり犯を追いかけない。追いかけた先の裏路地で強盗に遭った事例が記録されています
  2. 警察(117)に届け出る — プノンペン都警察外国人ホットライン(012-835-666、英語可)も利用可能
  3. 盗難証明書を受け取る — 海外旅行保険の請求に必須
  4. クレジットカード会社に即連絡 — カード停止を最優先
  5. パスポートが盗られた場合 — 在カンボジア日本国大使館(023-217-161〜164)に連絡
  6. 海外旅行保険の事故受付窓口に連絡 — 携行品損害の請求手続きを進める

大使館は「私立の医療機関では支払保証の確認が行われ、支払い能力がないと判断された場合には治療を受けられない」と注意しています。ひったくりで怪我をした場合、海外旅行保険に入っていないと治療すら受けられない可能性があります。

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プノンペンの他のトラブル情報

スリ・ひったくり以外のトラブル手口と安全対策は、プノンペンの治安・危険エリア情報からまとめて確認できます。

カンボジア全体の法律・マナー(薬物規制・王室への敬意・撮影禁止区域など)は、カンボジアの治安・法律・マナーでまとめています。

よくある質問

プノンペンでスリ・ひったくりが多い場所はどこ?

リバーサイド周辺、王宮付近、マーケットやショッピングモールなど観光客が集まるエリアで多発しています。大使館の「犯罪被害事例」でもリバーサイドでのひったくり事例が複数記録されています。レストランや外国人の出入りが多い施設の付近でターゲットを物色してから犯行に及ぶケースも報告されています。

ひったくりに遭ったとき抵抗してもいい?

絶対に抵抗しないでください。大使館の「安全の手引き」には、バッグを離すまいと抵抗して転倒し重傷を負ったケース、過去には拳銃で射殺された事件もあると明記されています。身の安全を最優先にして、荷物は手放してください。

たすき掛けにしていればバッグは安全?

たすき掛けにしていても安全ではありません。大使館の事例では、たすき掛けのバッグの肩紐をバイクの男に引っ張られて転倒し腕を骨折したケース、ナイフで紐を切られてバッグを強奪されたケースが記録されています。たすき掛け+車道と反対側に持つのが基本ですが、強引に奪われることもあるため貴重品の分散が重要です。

プノンペンでスリに遭ったらまず何をすればいい?

警察(117)またはプノンペン都警察外国人ホットライン(012-835-666、英語可)に届け出て、盗難証明書を受け取ってください。クレジットカードはカード会社に即連絡して停止。パスポートを盗られた場合は在カンボジア日本国大使館(023-217-161〜164)に連絡します。なお、大使館は「被害届の受理すらされないことも珍しくない」と注意しています。

出典

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