バーレーンはペルシャ湾の小さな島国。サウジアラビアとはキング・ファハド・コーズウェイで陸路接続され、F1グランプリと米第5艦隊司令部のイメージで知られる金融ハブです。GCC湾岸国のなかでは比較的のんびりした国民性で、UAEより小ぢんまり、サウジより緩い、中間ポジションの国でした。
ただし2026年4月時点で、バーレーン全土はレベル3(渡航中止勧告)。2月28日のイスラエル・米国によるイラン攻撃を受け、同日イラン革命ガードがバーレーン国内の米軍基地を標的とする攻撃を実施。米第5艦隊司令部があるマナーマを中心に、軍事施設・大型集合施設のテロ警戒が続いています。
このページは「現在のレベル3情勢」と「平時のバーレーン(マナーマ)旅行で気をつけること」を分けて整理します。出発前は必ず外務省 海外安全ホームページで最新の渡航レベルを確認してください。
Travel Alert 01
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現在の渡航レベル(2026年4月時点)
外務省は2026年3月5日、バーレーン全土をレベル3(渡航中止勧告)に引き上げました。
2月28日(現地時間)、イスラエル及び米国はイランに対して攻撃を開始しました。同日、バーレーンに攻撃があり、イラン革命ガードがバーレーン内の米軍基地を標的とする攻撃を行った旨発表しました。バーレーン全土の危険レベルをレベル3(渡航は止めてください)に引き上げます。既に滞在中の方は、複数の情報源から最新の情報を入手するなど特別な注意を払うとともに、状況によっては不要不急の外出を避ける等の十分な安全対策を講じてください。
3月以降も中東情勢関連の広域情報がほぼ毎週更新されており、状況は流動的。すでに滞在している人は、米第5艦隊司令部周辺・大使館・大型ショッピングモールなど象徴的な場所への接近を控え、出国を検討するなら空港の稼働状況とフライトを確認すること。たびレジ登録は最低限の防衛線です。
ここから先は「平時(レベル1〜2)にバーレーンを旅行する人」向けの情報。情勢が落ち着いて再渡航可能になったとき、または駐在・F1観戦でマナーマに足を止める人向けに残しておきます。
平時のマナーマ — GCC基準では治安は安定
平時のバーレーンは中東のなかでも治安が安定している部類。ただし「安定」は「無犯罪」ではありません。在バーレーン大使館の安全の手引きはこう書いています。
日本人を直接の対象とした犯罪は多くはありませんが、過去には日本人女性に対する痴漢被害が確認されている他、外国人を狙った殺人、強盗、放火等の凶悪犯罪や、窃盗、暴行、違法薬物の密輸・密売等の犯罪も少なからず発生しています。
人口約160万人のうち外国人が約半数という極端な人口構成。日本人女性への痴漢事案、外国人を狙った凶悪犯罪、SMS・電話・メールを使った詐欺が並列で発生しています。詳しい手口と防御はマナーマの治安と注意点にまとめています。
Travel Alert 02
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反政府デモ・宗派抗争 — 北西部のシーア派村落エリア
バーレーンは王家がスンニ派、国民の多数派がシーア派という宗派構造。安全の手引きはこう記録しています。
2011年、いわゆる「アラブの春」に触発された全国的な反政府デモにより、大規模な騒乱が発生し、多くの日本人が緊急帰国する事態となりました。騒乱は、サウジアラビアをはじめとするGCC連合軍の出動等により沈静化しましたが、現在でも、全国各地で非合法のデモが行われているほか、一部の反政府過激グループと治安部隊が衝突する事案が時折発生し、逮捕者が出る事態となっています。
衝突は主に北西部のシーア派村落エリアで発生。観光中心地のマナーマ・シーフ地区・ジュフェアではなく、観光客が「裏道のローカルエリアを散策しよう」と入っていきがちな場所が震源です。地元の人がいない・看板の言語が変わる・タイヤが燃やされた跡があるエリアでは、迷い込まずに引き返すこと。
法律・宗教マナー — サウジより緩いがUAEと同程度
バーレーンはイスラム教国ですが、サウジ・クウェートと違って酒類は許可制で飲酒可能。GCCのなかではUAEと同程度の緩さです。それでも観光客が踏み抜きやすい禁忌はあります。観光客向けの全体像は致命的禁忌マップにもまとめています。
飲酒 — ホテル・許可店ではOK、運転は厳罰
ホテル内レストラン・許可されたバー・指定店舗で飲酒可能。ただし酩酊状態での公共の場での泥酔・酔った状態での運転は厳罰で、罰金・収監・国外退去の対象。サウジと違ってバーレーンでは飲めることを目当てにコーズウェイ越しに来る人が多いですが、帰り道のサウジ入国時に酒類関連で通報されると重い処分になります。
薬物 — 死刑相当の厳罰
麻薬の密輸・密売は死刑を含む厳罰。乗継ぎや友人からの預かり物でも対象になります。CBDオイル・大麻成分入りグミなど、日本では合法のものでも持込み禁止。詳しくは薬物法マップ。
ラマダン中の飲食・喫煙 — 法律違反
ラマダン月の日の出から日没までの間は、外国人・非ムスリムでも公共の場での飲食(ガム・アメ・喫煙を含む)が法律で禁止で、警察が取締りを行っています。ホテル内・自宅・閉店中のレストラン以外では水を飲むのも避けるのが基本。
ラマダン月期間中(2025年は概ね3月中)は、日の出から日没までの間、イスラム教徒以外の者であっても、公共の場所での飲食(ガム、アメ、喫煙を含む)が法律で禁止されています。期間中は警察が取締りを行っています。また、期間中の夜間は多数の人々が街に繰り出し、事件事故が多発する傾向にあります。
写真撮影 — 軍事施設・モスク・女性に注意
警察・軍事施設、港湾施設などの重要防護対象になっている施設は一般的に写真撮影が禁止になっております。また、モスクなどの宗教施設や女性にカメラを向けると、トラブルになる可能性があります。
特にレベル3継続中は米第5艦隊司令部・サウジ国境のコーズウェイ・大使館街での撮影は徹底的に避けること。
服装 — 露出は控えめに
肌をむやみに露出しない、女性は特に肌の露出を極力避けるのが基本。モスク見学では女性はスカーフ着用が必要です。
キング・ファハド・コーズウェイ — サウジ往来時の注意
バーレーンとサウジアラビアを結ぶ全長25kmの海上道路。サウジ側からのF1観戦客や週末ショッピング客で混雑し、酒類・豚肉などのバーレーンでは合法だがサウジでは禁止の物品を持ち込むとサウジ入国時に拘束されます。
帰路でサウジに入る場合:
- 酒類・豚肉・ポルノとみなされる動画・CBD製品・E-tabaccoのリキッドは没収・罰金・拘束対象
- バーレーンで撮った写真でもサウジで「不適切」とされれば取調べ対象
- バーレーン側で飲んだ後の運転でサウジに入国するとアルコール検査で逮捕
「バーレーンでは合法だったから」はサウジでは通じません。詳しくはサウジアラビアの治安・法律。
Travel Alert 03
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交通事情 — ラマダン午後が最も危険
バーレーンは右側通行、ラウンドアバウトが多用されます。安全の手引きはこう注意喚起しています。
こちらが安全運転を心掛けていても、他の車が急な進路変更や割り込み、急停車することで発生する事故が後を絶ちません。また、ウィンカーを点灯させずに、車線変更や右左折をする車両が非常に多いです。
ラウンド・アバウト(Roundabout)の中は内側の車両、既にラウンド・アバウト内にいる車両が優先ですので、ラウンド・アバウトに入る時のタイミングの取り方に注意が必要です。
そして特に重要なのが、ラマダン中の午後の退社時間帯。
平日の通学時及び下校時間帯は、激しい交通渋滞が起こります。普段から混雑する時間帯、道路状況を把握しておき、渋滞に遭っても目的地で時間を潰すくらいの余裕を持って出発してください。特にラマダン月の午後の退社時間帯には断食中のドライバーがイライラした状態で運転しているため、交通事故が最も多く発生する危険な時間帯であるといわれています。
ラマダン中の17〜19時頃のマナーマ市内の幹線道路は、レンタカー・タクシー利用は避けるのが現実解です。
健康 — 高温・砂嵐・冠水
4〜10月の高温
夏季は気温45℃前後、湿度も高い。日中の屋外活動は熱中症リスクが高いため、屋外活動は朝夕に限定し、こまめな水分補給を。
11〜4月の降雨・砂嵐
一年を通して雨が降ることが少ないですが、年に数回の降雨時には、排水設備が十分に整備されていないため、幹線道路等でもすぐに冠水します。また、強風時には道路上に砂が堆積し、滑りやすくなる上、視界が遮られたり、ハンドルが取られたりすることがあります。
冠水した道路を無理に通行すると車両が水没するおそれがあります。降雨予報が出ている日は不要不急の外出を控えるのが安全です。
自然災害 — 地震・台風はほぼなし
バーレーンには活火山もなく、地震もほとんど観測されず、台風やサイクロンもありません。自然災害リスクは降雨・砂嵐がほぼ全て。
医療 — マナーマの主要病院は良好
外務省はマナーマの医療水準を中東でも比較的高く評価しています。American Mission Hospital(民間総合病院、24時間救急対応)、Bahrain Specialist Hospital(民間総合)、Salmaniya Medical Complex(国立総合)、King Hamad University Hospital(国立総合)が24時間救急対応の主要病院。
ただし私立病院は前払いが基本で、海外旅行保険のキャッシュレスサービスが使える病院は限定的。クレジットカードの限度額を上げてから出発するのが現実解です。詳しくは中東旅行の保険ガイド。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
主な犯罪・トラブル
マナーマ
通信手段
レベル3継続中は情勢確認・たびレジ通知の受信・大使館との連絡にネット必須。eSIMを出発前に準備しておくと安心です。eSIM比較はこちら。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
緊急時の連絡先
| 連絡先 | 電話番号 |
|---|---|
| 警察・消防・救急(統合) | 999(英語オペレータ常駐) |
| 交通警察 | 199 |
| 在バーレーン日本国大使館(代表) | +973-1771-6565 |
| 在バーレーン日本国大使館(領事班直通) | +973-1771-1313 |
| 大使館(夜間・休日メイン) | +973-3945-5427 |
| FM放送(緊急時) | 95.7 / 96.2 / 94.9 MHz |
レベル3継続中は領事メール・大使館SMS・たびレジ通知を必ず受信できる状態にしておくこと。