シェムリアップはアンコールワットをはじめとする遺跡群で有名ですが、健康面で油断すると大変なことになります。ジェイアイ傷害火災保険の実データには、遺跡観光中の転倒骨折で保険金1,540万円という事例が記録されています。感染症も日本では縁のないデング熱や狂犬病のリスクがあり、医療水準も日本とは比較になりません。
ここでは出発前に押さえておきたい感染症リスクと、医療費の実態をまとめます。
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気候と基本的な健康リスク
カンボジアは熱帯性モンスーン気候で、雨季(6〜10月)と乾季(11〜5月)に分かれています。在カンボジア日本国大使館「安全の手引き」によると、雨季は蚊によって媒介されるデング熱やチクングニア熱に罹患するリスクが増加し、3月後半から5月にかけては気温が特に高く暑さが厳しくなります。
遺跡観光は屋外を長時間歩くことになるので、熱中症対策(こまめな水分補給・帽子・休憩)は必須です。
Travel Alert 02
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主な感染症
デング熱
外務省「世界の医療事情」によると、デング熱は日中に活動する蚊により感染し、「突然の高熱で発症し、頭痛や関節痛、筋肉痛などを伴う」とされています。雨季に患者が増加し、重症化する可能性もあります。
遺跡観光中は屋外で蚊に刺される機会が多いため、虫除けスプレーと長袖の準備が重要です。高熱が出たら自己判断で市販薬を飲まず、すぐに医療機関を受診してください。
狂犬病
外務省「世界の医療事情」は狂犬病について「いったん発症すると100%死亡する恐い病気」と書いています。年間を通してリスクがあり、野犬に咬まれた場合は速やかに暴露後ワクチン接種が必要です。
シェムリアップの遺跡周辺や市街地には野犬がいます。かわいく見えても絶対に近寄らないこと。咬まれた場合は石けんと水で傷口を洗い、すぐに病院を受診してください。
急性胃腸炎
外務省「世界の医療事情」によると、「汚染食による細菌やウイルス感染で腹痛・下痢・発熱が生じます」。カンボジアの一般衛生事情は日本より劣悪で、屋台の食材・食器・調理衛生に問題がある場合があります。
水道水は飲まず、ミネラルウォーターを使用すること。魚介類の生食は寄生虫感染のリスクもあります。
マラリア
マラリアの多発地域は森林地帯・国境周辺です。外務省「世界の医療事情」によると「プノンペン・シェムリアップでの感染はまずありません」とされているので、市内観光のみであれば過度な心配は不要です。ただし郊外の森林地帯へ足を延ばす場合は予防内服を検討してください。
体験談 — 遺跡観光中の転倒事故
アンコール遺跡を観光中、石段で足を滑らせて転倒しました。自力で歩けず現地の病院を受診しましたが、手術が必要ということで別の病院に救急車で搬送。足関節開放性脱臼骨折と大腿骨転子部骨折で23日間入院・手術になりました。家族に来てもらい、看護師付き添いで医療搬送。保険金は1,540万円でした。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:ジェイアイ傷害火災保険 海外旅行保険事故データ)
遺跡は階段が急で、石の表面が磨耗して滑りやすくなっている場所が多くあります。サンダルやヒールではなく、滑りにくいスニーカーで観光しましょう。遺跡巡りの移動中にもトゥクトゥクの横転事故が報告されているので、交通事故による怪我にも注意が必要です。
Travel Alert 03
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医療事情 — 重症ならバンコクへ搬送
在カンボジア日本国大使館「安全の手引き」はカンボジアの医療事情についてこう書いています。
カンボジアの衛生事情は、日本と比較して劣悪です。重症の場合には、バンコクやシンガポールなどに移送されることとなります。
さらに重要なのがこの記述です。
私立の医療機関では支払保証の確認が行われ、支払い能力がないと判断された場合には、第三国への搬送を含め、治療を受けられませんので、十分な額の海外旅行傷害保険に加入することが必要です。
つまり、保険に入っていないと治療すら受けられない可能性があるということです。「安全の手引き」はさらに「重傷になると、クレジットカードの付帯保険の補償額では不十分なことが多いため、高額な治療費にも対応出来る海外旅行傷害保険への加入を強くお勧めします」と明記しています。
シェムリアップの日本語対応病院
| 病院名 | 特徴 | 日本語窓口 |
|---|---|---|
| Royal Angkor International Hospital | バンコク病院系列、24時間救急 | 063-766-750(ヘルプデスク) |
| Angkor-Japan Friendship International Hospital | 日本人医師・看護師常勤、24時間救急 | 012-408-314(24時間日本語) |
出発前にこの2つの連絡先を携帯に保存しておきましょう。
推奨される予防接種
外務省「世界の医療事情」では、カンボジア渡航者への推奨予防接種として以下が挙げられています。
- 強く推奨: 破傷風、A型肝炎、B型肝炎
- できれば: 日本脳炎、腸チフス
短期の遺跡観光でも、破傷風(転倒による外傷リスク)とA型肝炎(食品・水由来)は検討する価値があります。出発前に渡航外来で相談してください。
Travel Alert 04
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予防策
- 滑りにくい靴で遺跡観光 — 石段での転倒骨折が実際に発生している。サンダル・ヒール厳禁
- 虫除け対策を徹底 — DEET配合の虫除けスプレー、長袖長ズボン、蚊取り線香
- 水道水を飲まない — ミネラルウォーターを使用。氷にも注意
- 屋台の衛生状態を確認 — 生もの・生の魚介類は避け、加熱食を熱いうちに食べる
- 野犬・野良猫に近寄らない — 狂犬病は発症後100%致死。咬まれたら即受診
- 日本語対応病院の連絡先を保存 — 上記2院の電話番号を携帯のメモに
- 十分な額の海外旅行保険に加入 — 保険がないと治療を受けられない可能性がある
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
体調不良時の対応
- 高熱が出たら自己判断で薬を飲まない — デング熱の可能性がある
- 日本語対応病院に連絡 — Angkor-Japan Friendship International Hospital は24時間日本語対応
- 保険会社の事故受付窓口にも連絡 — キャッシュレス診療の案内を受ける
- 動物に咬まれた場合は症状がなくても即受診 — 石けんと水で洗い、速やかに病院へ
- 緊急時の連絡先 — 救急車119、シェムリアップ州警察ツーリストポリス012-402-424、在シェムリアップ日本国領事事務所063-963-801〜803
上記のような事故・疾病は、海外旅行保険でカバーできる可能性があります(治療・救援費用)。遺跡転倒の1,540万円事例もすべて保険金で支払われたケースです。クレカ付帯+ネット保険の組み合わせで備えるのが一般的ですが、「安全の手引き」はクレカ付帯だけでは不十分と指摘しています。
シェムリアップの他のトラブル情報は、シェムリアップの治安・危険エリア情報から確認できます。
カンボジア全体の法律・マナー(薬物規制・宗教的配慮など)は、カンボジアの治安・法律・マナーでまとめています。
よくある質問
シェムリアップでデング熱にかかるリスクはある?
あります。デング熱は日中に活動する蚊が媒介し、雨季(6〜10月)に患者が増加します。外務省「世界の医療事情」によると「突然の高熱で発症し、頭痛や関節痛、筋肉痛などを伴う」とされており、重症化する可能性もあるため、高熱が出たら自己判断で薬を飲まず医療機関を受診してください。
シェムリアップで日本語が通じる病院はある?
2つあります。Royal Angkor International Hospital(バンコク病院系列、24時間救急対応、ジャパニーズ・ヘルプ・デスク063-766-750)と、Angkor-Japan Friendship International Hospital(日本人医師・看護師常勤、24時間日本語対応012-408-314)です。出発前に連絡先を携帯に保存しておきましょう。
アンコール遺跡の観光中にケガしたらどうなる?
ジェイアイ傷害火災保険の実データに、遺跡観光中に滑って転倒し足関節開放性脱臼骨折・大腿骨転子部骨折で23日間入院・手術、保険金1,540万円という事例があります。遺跡は足場が悪い場所が多いので、滑りにくい靴を履くこと。また十分な補償額の海外旅行保険に加入しておくことが重要です。
マラリアの心配はある?
シェムリアップ市内での感染リスクはほぼありません。外務省「世界の医療事情」によると、マラリアの多発地域は森林地帯・国境周辺で、「プノンペン・シェムリアップでの感染はまずありません」とされています。ただし郊外の森林地帯へ行く場合は注意が必要です。