ホーチミンはベトナム最大の都市で、バイクの洪水みたいな交通量が名物。楽しい街だけど、タクシートラブルは総領事館への届出件数でも上位に入るほど頻発しています。最も多いのは「不当な高額請求」で、走行中に別の車に乗り換えさせたり、配車アプリで呼んだはずの車が偽物だったり、手口はどんどん巧妙になっています。
さらにホーチミン市だけで2025年の交通事故が2,104件、死亡者1,037人。邦人がチャータージェットでシンガポールに緊急搬送された事例もあるので、移動そのものがリスクになる都市だと思っておいたほうがいいです。
Travel Alert 01
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よくあるタクシートラブルの手口
手口1:不当な高額請求(最多パターン)
在ホーチミン総領事館によると、タクシー被害で最も多いのが不当な高額請求。メーターを作動させずに走り出す、目的地に着いた瞬間にメーター表示を消して高い金額を言ってくる、というのが典型です。ベトナムドンは桁数が多い(1万ドン=約60円)ので、旅行者は金額の感覚がつかみにくく、一桁多い金額を請求されても気づきにくいのが狙い目になっています。
外務省も「メーターを作動させずに車を発進させたり、目的地到着と同時にメーターの表示金額を消し不当に高い料金を要求」する手口を報告しています。
手口2:空港の個人タクシー呼び込み
タンソンニャット国際空港の到着口で「タクシー?」と声をかけてくるドライバーは基本的にアウトです。外務省も「空港周辺等で呼び込みを行っているタクシーを利用してトラブルに発展するケース」を名指しで警告しています。
タンソンニャット空港に到着して出口を出たら、すぐにタクシー運転手に声をかけられて乗ってしまいました。ホテルに着いたら、相場の何倍もの金額を請求されて…。初めてのベトナムで土地勘もなく、言い値で払うしかありませんでした。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在ホーチミン日本国総領事館「安全の手引き」(2026年版))
総領事館は「空港では、声を掛けてくるような個人タクシーには乗車せず、タクシー待機所で配車担当者が案内をしている大手タクシー(ビナサン、マイリン等)や空港内のタクシーカウンターを利用する」と案内しています。
手口3:走行中に別の車に乗り換えさせる
これはちょっと意外な手口。走行中に「この先は行けないから乗り換えて」と別の車両に移らされて、そこから高額請求やトラブルに発展するパターンです。総領事館が「走行中に異なる車に乗り換えさせられてしまう」と報告しています。
乗り換えた時点で最初の車両情報(ナンバー・運転手)との紐づけが切れるので、後から苦情を入れることもできなくなります。
手口4:配車アプリの偽車両
配車アプリを使っていても油断できません。アプリで手配した車両とは異なる車が来て、気づかず乗ってしまうケースが報告されています。
Grabで車を呼んだつもりが、来た車のナンバーが違っていたのに確認しないまま乗ってしまいました。途中で気づいたときにはもう遅くて、降りるときにトラブルになりました。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在ホーチミン日本国総領事館「安全の手引き」(2026年版))
総領事館は「配車アプリで配車した車両に乗り込む場合には、自らが手配した車両であることを必ず確認(ナンバー確認や運転手側の配車アプリを確認など)をしてから乗車する」と注意しています。
手口5:ホテルへの強制連行
目的地とは違うホテルに勝手に乗り付けて「ここに泊まれ」と無理矢理押し付けてくるケースも。運転手が紹介料をもらう仕組みで、断っても執拗に食い下がってきます。外務省が「勝手に運転手の知っているホテルへ乗り付けて、無理矢理そこへ泊まらせようとする悪質な運転手」として報告しています。タクシー以外にも、ホーチミンでは観光地での声かけから始まる詐欺が多いので、見知らぬ人の誘導には慎重に。
Travel Alert 02
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あなたは知っていますか?
交通事故のリスク — ホーチミン市だけで年間死亡者1,037人
ホーチミンの交通事情はかなり危険です。総領事館が公開しているホーチミン市の2025年統計がこちら。
| 項目 | 件数 |
|---|---|
| 交通事故件数 | 2,104件(前年比23.4%減) |
| 死亡者数 | 1,037人 |
| 負傷者数 | 1,244人 |
※2024年12月15日〜2025年12月15日の統計
前年比で減少しているとはいえ、1日あたり約3人が亡くなっている計算です。総領事館は「歩行者が道路を横断する場合は、信号無視の車両や逆行してくるオートバイがいることも念頭に、あらゆる方向から近付いてくる車両にも注意しなければなりません」と書いています。
そして実際に、ホーチミンで交通事故に遭った邦人がチャータージェットでシンガポールに緊急搬送された事例が保険会社から報告されています。
ホーチミンで交通事故に遭い、気脳症と肋骨骨折で18日間入院しました。現地では十分な治療が受けられず、チャータージェットでシンガポールまで搬送されることに…。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:損保ジャパン「海外旅行保険 事故事例」)
こうした医療搬送は数百万円規模の費用がかかります。上記のような被害は、海外旅行保険でカバーできる可能性があります。クレカ付帯+ネット保険の組み合わせで備えるのが一般的です。
レンタルバイクは「無免許運転」になる
ホーチミンでバイクを借りて走りたい気持ちはわかるけど、これは絶対にやめてください。ベトナム政府は日本が加盟する国際運転免許の条約を批准していないので、日本の国際免許証はベトナムでは無効です。
国際免許で運転した時点で無免許運転扱いとなり、ベトナム刑法では3年以上10年以下の懲役刑が科される場合があります。外務省も「日本人旅行者がバイクを運転中に大型車に巻き込まれ死亡する事故も発生」と報告しています。ベトナムの薬物や賭博の厳罰もそうだけど、日本の感覚で「大丈夫でしょ」が通用しない国です。
総領事館は「オートバイや自動車の運転は避け、公共交通機関、タクシー、運転手付きの自家用車の利用をお勧めします」としています。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
予防策
- 配車アプリ(Grab)を使う — 料金事前確定、ルート記録あり。ホーチミンで最も安全な移動手段。アプリには現地の通信が必要なので、海外でそのまま使えるeSIMを日本で準備して空港降機後すぐに動けるようにしておこう
- 配車アプリでも車両を必ず確認 — ナンバープレートと運転手側のアプリ画面を乗車前にチェック。違う車には絶対に乗らない
- 空港ではタクシー待機所か大手タクシーを使う — ビナサン、マイリンが総領事館推奨の大手。声をかけてくる個人タクシーは無視
- 車両ナンバーと運転手の氏名を乗車前に記録 — トラブル時の追跡に必須
- 車内で財布の中身を見せない・財布を渡さない — 総領事館が明示的に注意喚起
- 走行中は進行方向とメーターの動きに注意 — 不自然なことがあれば人通りのある場所で停車・降車を求める
- 乗り換え要求には応じない — 別の車に移った時点で追跡不可能になる
- レンタルバイクには絶対に乗らない — 国際免許無効で無免許扱い、懲役のリスクあり
- 道路横断は全方向を確認 — 信号無視の車両、逆走してくるバイクがいる前提で動く
- 総領事館作成の「ぼったくりタクシー防止カード」を活用 — 総領事館のページからダウンロードできる
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
もし被害に遭ったら
- その場では身の安全を最優先 — 総領事館は「相手が興奮する場合もあることから、その場では身の安全を最優先に対応し、事後タクシー会社や警察に連絡して必要な措置を講ずる」と案内しています
- タクシーの車番・ドライバーの特徴を記録する
- 在ホーチミン日本国総領事館 TEL:028-3933-3510
- ホーチミン市公安本部 TEL:028-3838-7344
- タンソンニャット国際空港 TEL:028-3848-5634(トラブル全般の相談可)
- 警察:113 / 救急:115
- 警察届出のコツ — 当地警察はベトナム語のみの対応がほとんどなので、ホテルやレストランの従業員にサポートを求めて通報するのがスムーズ
- 交通事故の場合 — 自分の海外旅行保険に連絡。ベトナムでは相手方に賠償能力がないケースが多く、保険が最後の砦になります
ホーチミンの他のトラブル情報は、ホーチミンの治安・危険エリア情報からまとめて確認できます。
ホーチミンで起きやすい他のトラブルも確認しておくと安心です。
- ホーチミンのスリ・ひったくり・置き引き — バイクひったくり、ベンタイン市場でのスリ、ホテルロビーの置き引き
- ホーチミンの詐欺・ぼったくり — イカサマ賭博、お金見せて詐欺、カード不正利用
- ホーチミンの薬物トラブル — 荷物預かりで運び屋にされる手口、電子タバコ規制
ベトナム全体の法律・マナー(電子タバコ規制・薬物の厳罰など)は、ベトナムの治安・法律・マナーでまとめています。
よくある質問
ホーチミンのタクシーでよくあるトラブルは?
在ホーチミン総領事館によると「不当な高額請求」が最も多く、「走行中に異なる車に乗り換えさせられる」手口も報告されています。空港到着口で声をかけてくる個人タクシーが特に危険です。
ホーチミンで安全に移動する方法は?
配車アプリ(Grab)が最も安全です。料金が事前に確定し、ルートとドライバー情報が記録されます。流しのタクシーを使う場合は大手のビナサンかマイリンを選び、乗車前に車両ナンバーと運転手氏名を確認してください。
配車アプリなら安全?
基本的には安全ですが、配車アプリで手配した車両とは異なる車が来るケースが報告されています。乗車前に必ずナンバープレートと運転手側の配車アプリ画面を確認してください。
ホーチミンでレンタルバイクに乗っても大丈夫?
乗らないでください。ベトナム政府は日本が加盟する国際運転免許の条約を批准していないため、日本の国際免許証は無効です。無免許運転としてベトナム刑法で3年以上10年以下の懲役刑が科される場合があります。
ホーチミンで交通事故に遭ったらどうすればいい?
まず警察(113)と救急(115)に連絡し、自分の海外旅行保険会社にも連絡してください。ベトナムでは相手方に賠償能力がないケースが多く、自分の保険が最後の砦になります。在ホーチミン日本国総領事館(TEL:028-3933-3510)にも相談できます。