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闇両替・偽札の手口|世界17都市の実例と回避法【2026】

最終更新: 2026-05-18

「いいレートで替えるよ」。繁華街を歩いていて、そう声をかけられた経験がある人は少なくないはずです。ブエノスアイレスでは「カンビオ・カンビオ」、プラハのカレル橋では「良いレートで換金する」。この一言が偽札をつかまされる入り口になることもあれば、人気のない路地に連れ込まれて強盗に遭う入り口になることもある。外務省と各国大使館のソースをたどると、闇両替・偽札すり替えの被害は少なくとも17都市で具体的に報告されています。手口は地域によって3つの型に分かれるけれど、声かけに応じた瞬間に負けが確定するという構造は世界共通です。

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共通の手口 --- 3ステップで札が消える

声かけの言葉や使う道具は違っても、闇両替詐欺は世界中この流れで動きます。

  1. 声をかける --- 繁華街・観光地・両替所の前で「いいレートで替えるよ」「カンビオ・カンビオ」と接近。公定レートより良い条件を提示して関心を引く
  2. 札を渡す --- 偽札を混ぜる、1枚目だけ本物で残りは価値のない他国紙幣にすり替える、計算過程で札を隠して枚数を誤魔化す。タクシーや商店では釣銭のタイミングで実行される
  3. 逃げる or 連れ込む --- 札を渡したら即座に立ち去る(詐取型)。または「いい場所がある」と路地や車に連れ込んで強盗に切り替える(入口型)

ステップ3が詐取で終わるか強盗に発展するかが地域によって違います。東欧は偽札・すり替えの純詐取型が多く、中南米やアフリカでは強盗の入口になるパターンが混ざってくる。さらに、アルジェリアやベネズエラのように闇両替そのものが当局の摘発対象で、観光客でも逮捕される国もあります。

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中南米 --- 「カンビオ」の声かけが強盗の入口になる

中南米の闇両替は単なる詐欺ではなく、強盗グループが観光客を誘い出すための手段として使われることがあります。偽札をつかまされるだけならまだマシで、別の場所に案内されて身ぐるみ剥がされるパターンがある。

ブエノスアイレス --- カンビオ・カンビオと偽札の二段構え

ブエノスアイレスの繁華街を歩けば、フロリダ通りやレコレータ墓地の周辺で「カンビオ・カンビオ(cambio cambio)」と声をかけてくる人に必ず遭遇します。大使館はこう警告しています。

いわゆる『ヤミ両替』とよばれる違法行為です。両替人によっては人目のない奥まった場所に連れて行くこともあり、安全が確保されているとは言い難いため、ヤミ両替の誘いには乗らないでください

闇両替のリスクは3つ。違法行為で外国人でも当局の対象になり得ること、偽札に替えられること、人気のない場所に連れ込まれて強盗に遭うこと。さらにタクシーや商店の精算時にも「高額紙幣を低額紙幣にすり替えられる」被害が発生しています。

ブエノスアイレスの詐欺全般はブエノスアイレスの詐欺・ぼったくりで。

グアテマラシティ --- 別の場所に案内されて強盗

グアテマラシティの闇両替は、ブエノスアイレス以上に暴力的な結末になりやすい。大使館はこう書いています。

首都第1区周辺や国境近くでは、外国人に対する闇両替の誘いがありますが、闇両替は禁止されています。また、両替のために別の場所に案内され、強盗に遭った例もありますので、闇両替には絶対に関わらず、両替はホテルや銀行で行うようにしてください。

「いいレートあるよ」と声をかけてくる人物は強盗グループの誘い役。応じた瞬間に路地へ連れて行かれるパターンです。グアテマラシティではバイク2人組の武装強盗も頻発しているので、路上で立ち止まること自体がリスクになります。

グアテマラシティの詐欺全般はグアテマラシティの詐欺・ぼったくりで。

その他の中南米都市

  • サンホセ(コスタリカ): 大使館は市中心街の無許可両替所について「違法行為である上、偽札を掴まされたり、お金を持ち逃げされる」と明記。サンホセの詐欺
  • カラカス(ベネズエラ): 闇両替は違法で、強盗・偽札リスクが極めて高い。経済のドル化が進みドル現金決済が常態化。カラカスの詐欺
  • サントドミンゴ(ドミニカ共和国): 街中の不正両替商に注意。両替は空港内銀行出張所、ホテルフロント、大型銀行支店で。サントドミンゴの詐欺
  • サンサルバドル(エルサルバドル): 米ドルのみ流通する国だが偽札リスクあり。100ドル・50ドル札は商店が受け取りを嫌がる。サンサルバドルの詐欺

東欧・ロシア --- 「1枚目だけ本物」の札すり替え

東欧の闇両替は中南米と違って暴力に発展するケースは少なめ。その代わり、札のすり替えが精巧で、手渡された瞬間に気づけないほど巧妙です。

プラハ --- カレル橋で1枚目だけ200コルナ札

プラハの闇両替は邦人の実被害事例が大使館サイトに記録されています。

邦人旅行者が、カレル橋付近の現金両替所に入ろうとした際、店の前で男から『良いレートで換金する』と声を掛けられ、ユーロをチェココルナに換金したところ、1枚目のみが200コルナ札で残りの紙幣は価値の低い他国紙幣を手交されるという詐欺被害に遭いました。

1枚目だけ本物の200コルナ札を見せて、残りはベラルーシ・ウクライナなどの低価値紙幣という手口。札束を受け取ってから気づいても、相手はもういない。外務省も「路上で外貨の両替を持ちかけられることがありますが、これは違法な闇両替です」と明記しています。

さらに正規両替所にも罠があります。看板に「0% commission」と書いておきながら極悪なレートで返す店も存在するので、レート表示は必ず確認してください。

プラハの詐欺全般はプラハの詐欺・ぼったくりで。

ブダペスト --- 繁華街・駅周辺の声かけ

ブダペストでは繁華街や駅周辺で「両替しませんか」と声をかけてくる人がいます。ハンガリーでは公式の両替商以外での外貨両替は違法で、持ちかけた側だけでなく応じた側も処罰されるのが他の国との大きな違い。無視して正規の両替所を利用するのが鉄則です。

ブダペストの詐欺全般はブダペストの詐欺・ぼったくりで。

キシナウ(モルドバ) --- 大使館が「街頭両替は禁止」と明示

モルドバの大使館は街頭での両替を明確に禁止指示として書いています。偽札・短額・抜き取りなどのトラブル全般が理由。両替は銀行支店または正規の両替所のみ。「レートが良い」と声をかけてくる人には応じてはいけません。

キシナウのスリ・両替詐欺はキシナウのスリ・ひったくりで。

モスクワ --- タクシーの釣銭が偽札

モスクワの闇両替は少し変わっていて、タクシーの釣銭として偽札を渡されるパターンが大使館の事例に記録されています。お釣りとして受け取った100ルーブル札が精巧な玩具紙幣だった、という事案。配車アプリを使えばそもそも現金のやり取りが発生しないので、Yandex等のアプリ利用が最も確実な対策です。

モスクワの詐欺全般はモスクワの詐欺・ぼったくりで。

その他の東欧都市

  • タリン(エストニア): ユーロ圏なので基本的に両替不要だが、空港・港の両替商はレート差に注意。タリンの詐欺
  • リガ(ラトビア): 外務省は「旧市街での両替時、露店やタクシーでお釣りを受け取る際には、受領金額が正確か確認」と警告。露店の両替商はレートが極悪で釣銭ごまかしの温床。リガの詐欺

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アフリカ・アジア --- 両替が強盗の入口、当局摘発リスクも

アフリカとアジアの闇両替は、中南米と同じく暴力に発展するパターンと、当局の取り締まりに巻き込まれるパターンの2系統があります。

アクラ(ガーナ) --- 「車に乗って」で車内襲撃

ガーナの闇両替は両替の場面そのものが強盗の現場になる構造です。外務省はこう書いています。

路上で両替をしている業者も見受けられますが、両替の際に犯罪に巻き込まれるおそれもありますので、利用しないでください。

「いいレートで両替するから車に乗って」と誘われ、車内で襲われるパターンが想定されます。さらにガーナでは日本円からガーナ・セディへの直接両替はできず、米ドル・英ポンド・ユーロが必要。出発前の外貨準備が必須です。

アクラの詐欺全般はアクラの詐欺・ぼったくりで。

アルジェ(アルジェリア) --- 観光客でも当局に摘発される

アルジェリアでは不正両替は治安当局の取り締まり対象で、観光客でも巻き込まれるのが最大のリスク。公定レートが悪いからと闇両替に手を出すと、罰則リスクは桁違い。両替は空港・ホテル・許可された両替所で。

アルジェの詐欺全般はアルジェの詐欺・ぼったくりで。

ハラレ(ジンバブエ) --- 両替を持ちかけて仲間が盗む

ハラレでは闇両替を持ちかけて気を引いている間に、仲間がスマホや財布を盗む連携手口が定番です。募金活動・宗教講話・物売りなど他の声かけと組み合わせた二段構えパターンもあります。

ハラレのスリ全般はハラレのスリ・ひったくりで。

カトマンズ(ネパール) --- 計算過程で札を隠す

カトマンズのタメル地区は両替店が密集していますが、レートがバラバラで計算過程で札を隠す・誤魔化す手口が古典的に存在します。対策はシンプルで、スマホの電卓で自分で計算する、大きな金額は一度に両替せず複数回に分ける。地味だけど確実に効きます。

カトマンズの詐欺全般はカトマンズの詐欺・ぼったくりで。

マカオ --- レートが良すぎる街角両替は避ける

マカオでは外務省がホテル・銀行・公認両替商の利用を推奨。レートが良すぎる街角の両替は避けるのが基本です。

マカオの詐欺全般はマカオの詐欺・ぼったくりで。

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地域差まとめ --- 詐取で終わるか、強盗に発展するか

比較軸中南米東欧・ロシアアフリカ・アジア
主な手口偽札+路地連行強盗札すり替え(他国紙幣・玩具紙幣)車内襲撃・連携窃盗・計算誤魔化し
声かけ「カンビオ・カンビオ」「いいレートで換金する」「両替しませんか」「車に乗って」「レートがいいよ」
暴力リスク高い(強盗に発展)低い(詐取型が中心)中〜高(ガーナ・グアテマラ級)
法的リスクアルゼンチンは違法ハンガリーは応じた側も処罰アルジェリアは当局摘発対象
現場繁華街・国境観光地・両替所前路上・車内・市場

共通しているのは、公定レートより良い条件を提示された時点で全部罠だということ。正規の両替所でもレート確認は必須ですが、路上の声かけに応じる理由は一つもありません。

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回避法 --- 出発前に決めておく3つのこと

闇両替の3ステップのうち、ステップ1(声かけ)に反応しなければ被害は発生しません。出発前にこの3つを決めておきましょう。

1. 両替は銀行・空港・ホテルだけと決める

路上の声かけに応じない。これだけで17都市の闇両替トラブルはほぼ全回避できます。正規両替所でもレート表示を必ず確認してから両替する、プラハのような「0% commission」看板の罠もあるので。

2. クレジットカード+ATMで現金量を最小限にする

そもそも両替する現金が少なければ、両替所に行く回数が減り、騙される機会も減ります。ATMは銀行店舗内のものを使い、路上設置は避ける。引き出し後すぐにその場を離れるのも大事です。

3. 釣銭は受け取った瞬間に相手の目の前で数える

ブエノスアイレスの大使館がはっきり書いています。「現金を受け取る際には、慌てずに必ず相手の目の前で金額を確認するようにしましょう」。タクシー、商店、両替所、どこであっても釣銭は受け取った瞬間にその場で数える。財布にしまってからでは手遅れです。

中南米・アフリカに行く場合は: 上記3点に加えて、米ドルの小額紙幣(1ドル・5ドル・10ドル・20ドル)を日本で用意しておくこと。ガーナでは日本円からの両替ができず、エルサルバドルでは100ドル・50ドル札を商店が嫌います。小額紙幣が旅の安全装置になります。


闇両替は偽警官と組み合わさることもあります。「偽札チェック」と称して財布を開かせるのは偽警官の定番手口。また、繁華街での声かけからバーに連れ込まれる睡眠薬強盗や、路上で立ち止まった瞬間を狙うバイクひったくりのリスクも重なります。「路上で立ち止まらない」「声かけに応じない」は、複数の手口を同時にブロックする万能の防御策です。

よくある質問

路上で「両替しないか」と声をかけられたらどうする?

無視してその場を離れてください。中南米では「カンビオ・カンビオ」、東欧では「いいレートで換金する」が典型的な声かけです。外務省・各国大使館はいずれも路上での闇両替を違法行為として利用しないよう明記しています。応じた瞬間に偽札をつかまされる、別の場所に連れて行かれて強盗に遭うリスクがあります。

どの国で闇両替トラブルが多い?

外務省・各国大使館の情報では、中南米(アルゼンチン・グアテマラ・コスタリカ・ベネズエラなど)、東欧(チェコ・ハンガリー・モルドバ・ラトビアなど)、アフリカ(ガーナ・アルジェリア・ジンバブエ)、アジア(ネパール・マカオ)と幅広い地域で報告されています。

正規の両替所でも騙されることはある?

あります。プラハでは看板に「0% commission」と書きながら極悪なレートで返す店が存在します。チェコ大使館も注意喚起しています。レート表示を必ず確認し、可能ならクレジットカードとATMの組み合わせで現金量を最小限にするのが効果的です。

釣銭で偽札を渡された場合はどうすればいい?

現地の警察に届けて被害届の受理証明書をもらってください。保険の携行品損害請求に必要です。予防策としては、支払い時に受け取った釣銭を必ず相手の目の前で数える習慣をつけること。タクシーや商店の精算時に高額紙幣を低額紙幣にすり替えられる手口はブエノスアイレスやモスクワで頻発しています。

出典・参考