ケチャップ強盗の手口|世界17都市の実例と回避法【2026】
最終更新: 2026-05-15
「服にケチャップがついてるよ」。知らない人にそう言われて立ち止まった瞬間、財布が消える。これがケチャップ強盗(液体汚し系スリ)と呼ばれる手口で、欧州から中南米、中東まで少なくとも17都市の大使館・外務省ソースに具体事例が載っています。使う素材は地域で違う。ケチャップ、アイスクリーム、廃油、塗料、鳥の糞を装った白い液体、果てはコーヒー。でも犯行の構造は世界共通で3ステップ。これを知っておくだけで、被害を避けられる確率はぐっと上がります。
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共通の手口 --- 3ステップで完結する
ケチャップ強盗は世界のどこで遭っても、必ずこの3段階で動きます。
- 汚す --- 共犯の1人が液体(ケチャップ・アイス・塗料・白い液体など)を服につける。「ぶつかる」「頭上から降ってくる」「すれ違いざまにかける」のパターンがある
- 気をそらす --- 別の共犯が「汚れてますよ」「拭いてあげる」と親切を装って近づき、被害者の注意をそちらに向ける
- 抜く --- 被害者が汚れに気を取られている間に、さらに別の共犯がバッグのファスナーを開ける、あるいは地面に置いた荷物を持ち去る
ポイントは必ず複数犯だということ。「汚す人」「声をかける人」「盗む人」が分かれていて、被害者は声をかけてきた人に意識が集中するため、本体の犯行に気づけません。
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欧州のバリエーション --- 駅・観光地・ホテル朝食
欧州のケチャップ強盗は駅構内・観光広場・ホテル朝食が主な舞台。道具はケチャップ、アイスクリーム、ペンキが定番です。
ストックホルム --- リュックの背後からチャックを開ける
ストックホルムでは「ホットドッグの男性にぶつかられてケチャップを付けられる」パターンが報告されています。旧市街ガムラスタンや地下鉄T-Centralen周辺が発生エリア。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在スウェーデン日本国大使館「安全の手引き」2025年2月版)
リュックを背負っている時はファスナーが背中側にある=丸腰状態。ストックホルムに限らず、リュックで観光する時は中身を体側に寄せておくか、前掛けにするのが有効です。
ストックホルムのスリ全般の手口はストックホルムのスリ・置き引きで。
ブリュッセル --- ペンキで領事メルマガ警告
ベルギーでは在ベルギー大使館が「ペンキ等を使用したスリ事件」として2024年3月に領事メルマガで注意喚起を出しています。「コートが汚れている」と心配するフリで近寄り、拭いている間に共犯が財布を盗む手口。アイスクリーム、ペンキ、ケチャップと素材が幅広いのが特徴です。
ブリュッセルのスリ事情はブリュッセルのスリ・置き引きにまとめています。
ベルリン --- ATMで現金を下ろした直後を狙う
ベルリンのケチャップ強盗はドイツ語でBeschmutzer-Trick(汚しの手口)と呼ばれていて、銀行ATMから出てきた直後にぶつかってケチャップをつけるのが特徴。引き出したばかりの現金を狙う合理的な手口で、ATMスキミングや暗証番号盗み見と組み合わさることもあります。繁華街・駅構内ATMが発生場所。
ATMを使うなら屋内・銀行支店内で、出た直後に周囲を確認する習慣を。ベルリンのスリ全般はベルリンのスリ・置き引きで。
その他の欧州都市
- バルセロナ・マドリード: ケチャップ・マスタード・アイスクリームに加え、鳥のフンに見せかけた液体も。バルセロナでは2025年下半期からケチャップスリが前年比1.7倍に増加。バルセロナのスリ / マドリードのスリ
- パリ: ケチャップ・ソフトクリーム。2026年3月にも被害報告あり。パリのスリ
- アムステルダム: 駅構内でコインばらまきと組み合わせるパターンも。アムステルダムのスリ
- ダブリン: アイスクリームを持った相手がぶつかってくるパターン。ダブリンのスリ
- オスロ: ホテル朝食ビュッフェでケチャップをかけて気をそらす。オスロのスリ
- アテネ: 液体をかけたうえで「服が汚れているぞ、すぐに脱いだほうがいい」と促す。アテネのスリ
中南米のバリエーション --- 廃油・塗料・バッグごと持ち去り
中南米のケチャップ強盗は、欧州と比べて素材が攻撃的(廃油・塗料・鳥の糞尿)で、バッグごと持ち去られるケースが目立ちます。財布の中身だけでなく、パスポート・カード・スマホを一度に全部失うリスクがある。
ブエノスアイレス --- 「親切な高齢女性」が来たら全力で逃げる
アルゼンチンのケチャップ強盗は、17都市の中で最も地域固有のディテールが厚い事例です。
数人のグループによる犯行が多く、手口は、ケチャップ、廃油、塗料等の液状物質を被害者の衣服につけた後、汚れていることを指摘すると同時に、親切に拭き取りを手伝う様子で接近し、被害者が汚れを拭き取る間に財布や地面に置いたバッグ等を奪って、逃げ去るケースが多いです
ケチャップに加えて廃油・塗料まで使う。そして大使館の手引きにはこうも書かれています。「一見親切そうな高齢女性であったりもします」。おばあちゃんが「あら大変、拭いてあげるわ」と近づいてきたら、それが共犯。フロリダ通り、レコレータ墓地周辺、サンテルモのフェリア、レティーロ駅前が頻発エリアです。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在アルゼンチン日本国大使館「安全の手引き」令和8年2月版)
ブエノスアイレスの詐欺全般はブエノスアイレスの詐欺・ぼったくりで。
メキシコシティ --- 女性1人+男性2人の3人組チーム
メキシコシティでは「鳥の糞」を装った白い液体を使い、女性1人が声かけ→男性2人が拭き取りに加わるという3人組の分業が報告されています。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在メキシコ日本国大使館「安全の手引き」(2026年1月改訂))
大使館は「比較的安全と言われている地域で発生しています」と明記しています。ソカロ・国立芸術宮殿前などメインストリートでも油断できません。メキシコシティのスリ全般はメキシコシティのスリで。
キト --- 市場入口で鳥の糞尿を使う
キトでは市場入口が狙われやすい場所。「鳥の糞尿が付いている」と周囲から声をかけられ、ティッシュを差し出される。汚れを拭くために荷物を床に置いた瞬間、バッグごと持ち去られています。ケチャップ・マスタード・鳥の糞尿と素材は幅広い。
キトのスリ全般はキトのスリ・ひったくりで。
モンテビデオ --- 空港到着初日に狙われる
17都市のなかで唯一の空港固有パターン。カラスコ国際空港で「ケチャップ等を衣服につけられ、汚れを落としている間に床に置いていたカバンを盗まれた」事案が報告されています。バスターミナルでも同種事案が発生。到着直後で土地勘がなく、大きな荷物を持っているという旅行者の弱点を突く手口です。
モンテビデオのスリ全般はモンテビデオのスリ・置き引きで。
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中東のバリエーション --- サウジアラビアでコーヒーを使う
ジッダ --- 液体でなくコーヒー
17都市で唯一の中東事例。在ジッダ総領事館の手引きに「液体で服を汚され、気を取られている間にバッグなどから財布を盗まれる」と明記。サウジではコーヒーや飲み物が使われるのが地域的な特徴です。
ジッダのスリ全般はジッダのスリ・置き引きで。
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地域差まとめ --- 5つの違いを押さえる
| 比較軸 | 欧州 | 中南米 | 中東 |
|---|---|---|---|
| 素材 | ケチャップ・アイス・ペンキ | ケチャップ・廃油・塗料・鳥の糞尿 | コーヒー・飲み物 |
| 加害者像 | 男性中心のチーム | ブエノスアイレスは「高齢女性」、メキシコは女性1+男性2 | 記載少なめ |
| 発生場所 | 駅構内・観光広場・ホテル朝食 | 市場入口・路上・空港(モンテビデオ) | 路上 |
| 被害規模 | 財布の中身(数万円) | バッグごと持ち去り(パスポート・カード全喪失) | 財布 |
| 時間帯 | 混雑する昼間 | 日中の路上が主、ベルリンはATM出金直後 | --- |
中南米の方が被害規模が大きくなりやすいのは、バッグを地面に置いてから拭く習慣を突いているため。欧州では背負ったリュックやポケットから抜くのが主流なので、中身の一部で済むことが多い。
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回避法 --- 「汚れた」と言われても立ち止まらない
ケチャップ強盗の3ステップ構造から導ける回避法は明確です。
ステップ1(汚す)を防ぐのは難しい。不意にかけられるため。
ステップ2(気をそらす)を断ち切るのが最大のポイント。
- 服が汚れていると指摘されても立ち止まらない。近寄ってくる人には「大丈夫です」と言ってその場を離れる
- 安全な場所(店舗・ホテル・駅構内の係員がいるエリア)まで歩いてから汚れを確認する
- 荷物を地面に置かない。汚れを拭く時も肩・腕から下ろさない
ステップ3(抜く)の被害を最小化する。
- 貴重品は分散保管。パスポート・カード・現金をすべて1つのバッグに入れない
- リュックは前掛け、ファスナーは体側に
- ATM出金後は周囲を確認してから歩き出す(ベルリン型対策)
- 空港・バスターミナルでは足の間に荷物を挟む(モンテビデオ型対策)
汚れは後で落とせる。財布とパスポートは後では取り戻せない。迷ったら逃げる一択です。
よくある質問
ケチャップ強盗に遭ったらまず何をすればいい?
服についた汚れは無視して、その場を離れてください。近寄ってくる人がいても「大丈夫です」と断り、店舗やホテルなど安全な場所まで歩いてから汚れを確認するのが鉄則です。立ち止まった瞬間にバッグを持ち去られます。
ケチャップ強盗はどの国で多い?
外務省・各国大使館の情報では、欧州(スペイン・フランス・ドイツ・ベルギー・スウェーデンなど)と中南米(アルゼンチン・メキシコ・エクアドル・ウルグアイなど)で広く報告されています。中東ではサウジアラビア・ジッダでも確認されていて、ほぼ世界共通の手口です。
リュックを背負っていると狙われやすい?
はい。ストックホルムの大使館事例では、リュックのチャックを背後から開けられて財布を抜かれています。リュックを使うなら前掛けにする、ファスナーを体側に向ける、貴重品はボディバッグに分散するのが有効です。
「鳥のフン詐欺」とケチャップ強盗は同じもの?
同じ構造の手口です。ケチャップの代わりに鳥の糞尿を装った白い液体を使うパターンで、メキシコシティやキトで報告されています。「上から液体が降ってきた」→「親切な人が拭いてくれる」→「その間に財布を抜かれる」という3段階は共通です。