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ATMスキミング・出金後尾行|世界16都市の実例と回避法【2026】

最終更新: 2026-05-25

「ATMから出た瞬間に後ろをついてくる人がいた」。海外で現金を引き出した経験がある人なら、一度はあの嫌な視線を感じたことがあるはずです。ATMにスキミング装置を仕掛けてカード情報を丸ごと盗む手口と、引き出し直後に尾行して人気のない場所で襲う手口。この2つは世界中のATMで同時に起きています。外務省と各国大使館のソースをたどると、少なくとも16都市で具体的に報告されている。手口は地域によって「装置で盗む」か「人が追う」かの重心が変わるけれど、ATMの前に立った瞬間から標的になっているという構造は共通です。

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共通の手口 --- スキミングと尾行、2つの攻撃ライン

ATMを狙う犯罪は大きく2系統に分かれます。どちらか片方、あるいは両方が同時に仕掛けられる。

  1. スキミング(情報窃取) --- ATMのカード挿入口や暗証番号入力部にデバイスを取り付けてカード情報を盗む。犯人はその場にいなくてよい。帰国後に他国で不正引き出しされて初めて気づくパターンが多い
  2. 出金後尾行(物理強奪) --- ATMで現金を引き出した直後から尾行し、人通りの少ない場所で襲う。見張り役・実行役・逃走運転手の分業体制が組まれていることもある
  3. 声かけ型(ハイブリッド) --- ATM操作中に「使い方を教える」「お金を落とした」と声をかけて注意をそらし、暗証番号を盗み見る。そのままカードをすり替える変種もある

欧州では1のスキミング装置型が主流、アフリカと中南米では2の物理強奪が中心。南アフリカのヨハネスブルグでは1と3の合わせ技で、声かけから暗証番号窃取、さらにカードすり替えまで一連で行われます。

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アフリカ --- アナログスキミングと出金後の追跡

アフリカのATM犯罪はハイテク装置よりも人力で成立するのが特徴。紙とコインでカード番号を写し取るアナログ手口から、引き出し後に数百メートル追跡して襲う物理型まで、共通しているのは「犯人がATMの周囲で待っている」ということです。

ヨハネスブルグ --- 2人組の声かけから5人の取り囲み

ヨハネスブルグのサントン地区で報告されている手口は、二段構えの取り囲み。最初に2人組がATMで声をかけてきて、反抗すると別働隊の3人組が現れて計5人で取り囲む。そこからカードをすり替え、暗証番号の入力を強要して5,000ランドを引き落とす。

ATMで声をかけられた瞬間に「Cancel」を押して取引を中断する。これが大使館の指導する対処法です。5人に囲まれてからでは遅い。

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ATMで操作中に2人組が声をかけてきた。断ったら別の3人が現れて取り囲まれ、カードをすり替えられて暗証番号を入力させられた。5,000ランドを引き落とされた。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在南アフリカ日本国大使館「南アフリカ滞在安全の手引き」(2023年4月版)

ヨハネスブルグの詐欺全般はヨハネスブルグの詐欺・ぼったくりで。

ボツワナ・ナミビア --- 紙とコインのアナログスキミング

南部アフリカでは高価なスキミング装置ではなく、紙とコインでカード番号を写し取る手法が報告されています。ATMで操作中に声をかけて注意をそらし、手元を覗き見て暗証番号を窃取する。外務省は「クレジットカード・デビットカードのデータを不正に読み取って多額の引き落としを謀るスキミングが頻発、日本人も被害」と明記しています。

ナミビアでは「車に異常がある」と声をかけて車外に出させ、その隙にATMカードを奪う誘導襲撃との組み合わせも報告されています。ICチップ取引を選択し、海外利用の即時通知をONにしておくのが基本の防御です。

各都市の詳細: ハボローネのスリ・ひったくり / ウィントフックのスリ・ひったくり

マラウイ・ザンビア --- 引き出し後の尾行強奪

マラウイのリロングウェとザンビアのルサカでは、ATMで現金を引き出した後に尾行され、人気のない場所で強奪されるパターンが報告されています。スキミング装置は使わない純粋な物理型。明るい時間帯に引き出し、ショッピングモール内のATMを使い、引き出した現金を即座にバッグの奥に収納すること。人通りの多いルートで帰還するのが鉄則です。

各都市の詳細: リロングウェのスリ・ひったくり / ルサカのスリ・ひったくり

中南米 --- 組織的尾行と拳銃殺害事例

中南米のATM犯罪は暴力の度合いが桁違いです。500ドル以下の少額引き出しでも標的にされ、見張り・実行役・逃走運転手が分業して追跡してくる。グアテマラでは邦人が拳銃で殺害された事例まで記録されています。

キト(エクアドル) --- 「サカピンタス」という名前がつくほどの常態化

エクアドルではATM出金後の尾行強盗に「サカピンタス(Sacapintas)」という固有名詞がつくほど犯罪が常態化しています。銀行・両替所・ATMの出口から尾行し、ホテル前・信号待ち・駐車場で襲撃する。犯行グループは見張り役・実行役・逃走運転手に分業されていて、500ドル以下の少額引き出しでも標的になります。

在エクアドル大使館の手引きによれば、「銀行で現金を引き出した者の後をつけ現金を奪うサカピンタスと呼ばれる強盗が主」とされています。

対策は「引き出す前に周囲を確認」ではなく、引き出した後の行動を変えること。最短ルートで店舗やホテルに入り、路上での移動距離を最小にする。タクシーへの乗車も狙われるので、配車アプリで車を呼んでから建物を出るのが確実です。

キトの詐欺全般はキトの詐欺・ぼったくりで。

グアテマラシティ --- 邦人拳銃殺害事例あり

グアテマラシティでは2012年に首都郊外で、ATMから現金を引き出した後の邦人が追跡され拳銃で殺害された事例が記録されています。出金後の尾行が「お金を取られて終わり」ではなく、命に直結する犯罪であることを示す最悪のケースです。

屋外ATMは絶対に使わない。引き出し前に札の厚みが外から見えない工夫をする。グアテマラシティではバイク2人組の武装強盗も頻発しているので、ATMからの帰路で路上に出ること自体がリスクになります。

グアテマラシティの詳細はグアテマラシティの睡眠薬強盗・犯罪で。

ホンジュラス・エルサルバドル・ジャマイカ・ドミニカ共和国

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欧州・アジア --- 装置型スキミングと非接触リーダー

欧州のATM犯罪はアフリカや中南米と違い、暴力を伴わないのが特徴。犯人はATMに装置を仕掛けて去り、数日後に別の国でカード情報を使って現金を引き出す。被害に気づくのは帰国後の明細確認時。だからこそ海外利用の即時通知設定が最も重要な対策になります。

ワルシャワ(ポーランド) --- 3パターンのスキミングと非接触リーダー

ポーランドでは3種類のスキミング手口が報告されています。ATMや決済端末にスキミング装置を取り付ける古典型、レストランで店員が精算時に隙を見て装置で読み取る接客型、そして鞄にリーダーを近づけて非接触で読み取る最新型

外務省のデータでは「ATMや決済端末にスキミング装置を取り付ける」「店員が精算時の隙を見て装置で読み取る」「クレジットカード等を収納した鞄に装置を近付ける」の3パターンが挙げられています。

対策として、決済端末は自分の手元に持ってきて操作する、レストランでカードを店員に渡さない、非接触決済機能は使わない時はオフにしておく。クレジットカードをスキミング防止スリーブに入れるのも有効です。

ワルシャワの詐欺全般はワルシャワの詐欺・ぼったくりで。

オスロ・ストックホルム --- ショッピングセンター内ATMでも被害

北欧は治安が良いイメージがあるけれど、ATMスキミングは例外。ノルウェーのオスロではショッピングセンター内ATMで現金を引き出した後、他国で口座から引き出されていた事例が報告されています。銀行店舗内のATMでも安心せず、暗証番号は必ず手で隠すこと。

スウェーデンのストックホルムでも街中ATMにはスキミング機器のリスクがあるとして、大使館は銀行店舗内ATMの利用を推奨しています。

各都市の詳細: オスロの詐欺・ぼったくり / ストックホルムの詐欺・ぼったくり

ミンスク・ジャカルタ・コロンボ

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地域差まとめ --- 装置で盗むか、人が追うか

比較軸アフリカ中南米欧州・アジア
主な手口アナログスキミング+出金後尾行組織的尾行→強奪・殺害装置型スキミング+非接触リーダー
犯人構成声かけ役+実行(2〜5人)見張り・実行・逃走運転手の分業単独(装置設置のみ)
暴力度中(取り囲み・強奪)高(拳銃使用・殺害事例あり)低(非接触・被害は帰国後発覚)
被害に気づくタイミングその場その場帰国後の明細確認時
ATM選択ルール銀行店舗内、明るい時間帯銀行店舗内、最短帰路、配車アプリ銀行店舗内、暗証番号を手で隠す

共通しているのは屋外の独立ATM・駅構内ATM・駐車場ATMは使わないということ。場所を選ぶだけで被害の大半は回避できます。

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回避法 --- ATMに近づく前に決めておく3つのこと

ATM犯罪は場所の選択で8割防げる。出発前にこのルールを決めておきましょう。

1. 銀行店舗内のATMだけを使うと決める

屋外ATM、ショッピングセンターの通路、駅構内、駐車場の独立ATMは全て避ける。銀行の営業時間内に店舗内のATMで引き出すのが最も安全です。ホテル内ATMも次善策になります。

2. 暗証番号は毎回、手で完全に隠す

アナログ式(紙とコインで写し取る)から隠しカメラまで、暗証番号の窃取方法は多様。唯一の共通対策は入力する手を反対の手で完全に覆うこと。カード挿入口がぐらついたり、テンキーの上に不自然な部品がついていたら、そのATMは使わない。

3. 引き出し後は最短で建物に入る

エクアドルのサカピンタスが教えてくれるのは、「引き出した後が本当の危険」だということ。現金は即座にバッグの奥に収納し、路上で数えない。建物から出る前に配車アプリでタクシーを呼んでおく。信号待ちで立ち止まる時間すら狙われると覚えておきましょう。

海外利用の即時通知は出発前にONにしておくこと。スキミング被害は帰国後に気づくパターンが多いけれど、即時通知があれば不正引き出しを数分以内に検知してカード停止を依頼できます。ICチップ取引の選択と合わせて、出発前にカード会社のアプリで設定確認しておきましょう。


ATMの前で声をかけてくる人物は、偽警官の変種であることもあります。「カードが詰まったから手伝う」と称してカードを抜き取る手口は欧州で頻発。また、ATM周辺で注意が散漫になったところを狙うバイクひったくりも中南米では定番です。「ATMの前後5分間は最大警戒」と決めておくだけで、複数の手口を同時にブロックできます。

よくある質問

ATMで現金を引き出すとき、スキミングされないためにまず何をすればいい?

カード挿入口に不審な部品がないか確認してください。ぐらつくカバーや本体と色の違うパーツがあれば装置が仕掛けられている可能性があります。暗証番号入力時は必ず手で覆ってください。ボツワナやナミビアでは紙とコインで番号を写し取るアナログ手口も報告されています。

出金後に尾行されていると感じたらどうする?

引き出した現金をすぐにバッグの奥にしまい、人通りの多い方向に歩いてください。決して人気のない路地に入らないこと。エクアドルのサカピンタスは見張り・実行役・逃走運転手の分業体制で追跡してくるため、銀行から出た時点で最短ルートで店舗やホテルに入るのが最善です。

スキミング被害に遭ったことに気づくのはいつ?

多くの場合、帰国後に身に覚えのない引き落としの通知が届いて初めて気づきます。ノルウェーの事例では「ショッピングセンター内ATMで引き出し後、他国で口座から引き出されていた」と報告されています。海外利用の即時通知をONにしておけば、不正引き出しを数分以内に検知して停止依頼が可能です。

どの国でATMスキミング・出金後尾行が多い?

外務省・各国大使館の情報では、南部アフリカ(ボツワナ・ナミビア・南アフリカ・マラウイ・ザンビア)、中南米(エクアドル・グアテマラ・ホンジュラス)、欧州(ポーランド・ノルウェー・スウェーデン)と幅広い地域で報告されています。アフリカと中南米は出金後の尾行強盗、欧州はスキミング装置の設置が中心です。

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